現行医療計画の問題点について
■ 東京都のがん医療体制
【河原和夫・東京医科歯科大学大学院教授】
次のがんで、東京都の事例を参考にさせていただきますと、私の研究で、住民にわかりやすく、かつ専門家もそのデータに基づいて分析ができるということで、地図情報と。
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地図情報というのは、ある客観的なデータを落としますので、専門家並びに住民の両方がわかるというツールです。
これで見ますと、がんの専門医、あるいはCT、MRI、つまり中央区、文京区の辺りに集中しているわけで、これを見ても東京都のがんの体制に関しては、容易に交通手段での移動が完結しますので、医療圏を設定する実益はないわけです。
まして、東京で診療されているがん患者の4割は、東京以外から来ていると。逆に、療養病床に関しては東京が少ないということで、山梨あるいは長野、周辺県に移動しているわけです。
そういう意味では、4疾病の中でも、その医療圏で終えないといけないような急性期対応の形もあると思いますが、がん以外の急を要する疾患、それ以外の比較的時間的な余裕のある疾患で、医療資源を集中したほうがいいような疾患に関しては、医療圏をもう1回考えることが必要だと思います。
【目次】
P2 → 医療計画制度の目的等
P3 → 医療計画とその評価
P4 → 医療機能情報提供制度
P5 → 病床規制
P6 → 東京都のがん医療体制
P7 → 23区の救急施設全体でのカバー範囲等
P8 → A区の三次救急施設へのアクセス時間
P9 → 搬送に60分以上要する人口
P10 → 療養病床の調査
P11 → 山形県でのアクセス時間分析
P12 → 救命救急センターの最適エリア界
P13 → 献血者の動向、地理的分布
P14 → 周産期母子医療センターへのアクセス時間
P15 → 死者と重傷者の分布
P16 → 運転時間30分での転送可能領域
P17 → 医療計画の中の精神医療の位置づけ
P18 → 主たる医療職種の入学定員(平21)
P19 → 計画と評価の構造(行政計画)
P20 → 事業計画、実施計画の必要性
P21 → ある県の医療計画の目標
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