勝ち残るのは、やはり特定機能病院?
■ 「実際にいくつかの数字を出してみて」 ─ 相川委員
[相川直樹委員(財団法人国際医学情報センター理事長)]
私も、今の伊藤委員のご意見に基本的には賛成です。
今回の(調整係数)見直し後の提案を頂いて、全体としてかなり今までの議論を反映した1つのパターンではないかと感じました。特に、日本ですと......。
ま、アメリカなんて、決してこんな細かいことやりませんよね? でも日本は物を作るのでも何でも、かなり色々なことを考えて細かく細かくやるから良い物ができるということもあるんで......。
これも、(機能評価係数の)「Ⅰ」「Ⅱ」という非常に細かい対応で、あまり損する所も得する所もないようにとつくって......。僕はこれ、全体的には非常にいいかなって思っています。
と......、良いことも言ったのですが、やはり気になるのは「基礎係数」ですね。激変緩和措置は別ですけれども......。
「基礎係数」で、「A」「B」「C」となっていますが、場合によっては「AからH」とか、「AからR」とか、(この日の議論では)そこまでになる可能性も出てきたんですが、本来はなるべく複雑にしないほうがいい。
「例えば......」ということで、特定機能病院の話が出ました。私も大学病院にいたものですから、特定機能病院と一言で言われても、大学病院でも500床から1000床という所もあります。
地方から、都会から、国立から、私立から、総合大学から、単科大学から......。まあ、色々なものがあるわけで......。
ですから実際には、「特定機能病院の平均値」と言ってもですね、それがどのぐらいのバリアンス(偏差)っていうか、あるいはバラツキがあるのか、そういうことも見ないと......。
あまりこの平均値とSD(標準偏差)が大きいような所を取りますとですね、あるいは正規分布していないで、「国立系はこうだ」「私立系はこうなる」とか、「都会ではこうなる」ということになりますと......。
先ほど言ったように平均値しかもらえないんだったらば、それ以上に色々なことをやっている、あるいは固定資産税とか看護師さんの住居費とか雇用費とか......。
コストっていうのは本来これに入れるべきではないという考え方もありますけれども、そういうところがありますと、どうしても「粗診粗療」で、自分たちが報われていないところを取り返そうという考えも出てくる。
ですから、やはり「ABC」でも「ABCDE」でもいいんですけれども、実際にいくつかの数字を出してみて、どれぐらいのバリエーションがあるのか......。
それで、平均値というのが妥当なのか、場合によってはもう少し類型を分けていくということを......、これはもう各論になりますけれども......、した方がいいんではないか。
そういうことをしておけば、私は比較的、この見直し後の考え方というのはアクセプタブル(受入可能)だと思っております。
[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
ありがとうございます。(中略)
【目次】
P2 → 「医療機関群の特性に応じた設定を検討してはどうか」 ─ 厚労省
P3 → 「包括評価に『一定幅』という文言が分からない」 ─ 酒巻委員
P4 → 「基礎係数の中身が示されていない」 ─ 齊藤委員
P5 → 「個別に取り出して項目で評価するのは限界」 ─ 厚労省
P6 → 「A、B、Cはどういう区分けですか?」 ─ 齊藤委員
P7 → 「同一群であれば1つの数字」 ─ 厚労省
P8 → 「基礎係数はあくまで出来高を正確に反映」 ─ 厚労省
P9 → 「かなりの激変になるのではないか」 ─ 池上委員
P10 → 「病院ごとの基礎係数という考え方がいい」 ─ 小山分科会長代理
P11 → 「一本化できそうかデータを作って議論を」 ─ 伊藤委員
P12 → 「実際にいくつかの数字を出してみて」 ─ 相川委員
P13 → 「カラーの図で基礎係数がやたらデカイですよね」 ─ 吉田委員
P14 → 「25%という数字はあくまでも平成22年の時」 ─ 厚労省
P15 → 「調整係数が全くゼロになることは起こりえない」 ─ 西岡分科会長
P16 → 「個別調整をするのは適切でない」 ─ 厚労省
P17 → 「ある程度の合意になりました」 ─ 西岡分科会長
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