勝ち残るのは、やはり特定機能病院?
■ 「ある程度の合意になりました」 ─ 西岡分科会長
[相川直樹委員(財団法人国際医学情報センター理事長)]
(前略)実際に数値を見せていただかないと。それが可能かどうかということも含めて数値を見せていただく必要があると思いますね、いくつかの例でですね。(中略)
[齊藤壽一委員(社会保険中央総合病院名誉院長)]
「医療機関群に分けることが妥当かどうか」っていうことはですね、ある程度データがあって、群としての分かれが見えたときに言えることじゃないかなーと思うんですよね。
ただアプリオリに、「特定機能病院はこういう役割だから1群で引っくるめよう」というのは、ちょっと乱暴ではないかなあという気はいたします。(中略)
[熊本一朗委員(鹿児島大医療情報管理学教授)]
基本的にはこの「基礎係数」でちゃんとなるのかなと思うんですけれども......。
「類型化するか」というところは、やはりデータを見ないと分からない面がありますので、それからの議論かなと思います。(中略)
[池上直己委員(慶應義塾大医学部医療政策・管理学教授)]
(前略)今の段階では、「医療機関群としてのまとまりでよろしいか」ということについては、群内格差と群の数にもよるという気がいたします。
[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
ありがとうございます。群をつくるのは構わないけれども、その中での群内格差......。どういう形で分布しているかを眺めながら、個々の病院のデータを見ながら再構成してはどうかと......。
[池上直己委員(慶應義塾大医学部医療政策・管理学教授)]
(前略)1300の病院が例えば100のグループに分かれたらあまり意味はないわけですよね。多くても20~30......。(委員ら、笑い)
それも多いと言う......なら、ではまあ、1桁という話もありますけれども......。
まあ、現実的なグループの数と、群内格差とを見ながらでないと、群にまとめていいかどうか......。20~30に分けたとしたら、「群に分けた」と言ってもあまり説得性が得られないという気がしますし......。(中略)
[保険局医療課・迫井正深企画官]
あの......。しばらくお聴きしておったんですが、私どもでどうしても確認させていただきたいと思ったのは......。
反対に質問させていただくとですね、個別調整を残した方がよろしいのか。あるいは可能であれば群なり何なりで一本化した方がよろしいのか、こういうことでございます。
ですから、技術的に可能かどうかデータをお示ししなければなりませんし、どれぐらい現場の混乱があるかどうかアセスメントはしますけれども、あるいはしていただきますけれども......。
あくまでも目指す方向として我々は、妥当な範囲の設定ができるのであれば群で一本化したいという方向が、望まれる方向だと理解しております。(中略)
[山口俊晴委員(癌研究会有明病院副院長)]
この議論の始めは、同じような病院なのに「調整係数」がこんなにも違うのか、というところがみんなおかしいと思うことであって......。
まあ、企画官の疑問に対して、恐らくみんな「個別(調整)はNOだ」と......。ただ、問題は分け方で、これ(資料)を見ていると何となく......。
特定機能病院と地域密着型の病院とを差別してやってやろうという感じに受け取られちゃう。(委員ら、笑い)
そこのところがちゃんと理解されれば、グループの数がいくつかは別にして、どういう具合に分けるかということにみんなで知恵を絞れば、やはりグループに分けてやるべきだと思います。
[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
ありがとうございます。これでやっと報告できるようになってきた感じですが......。(笑い) 他にご意見あれば頂戴したいんですが......。
[緒方裕光委員(国立保健医療科学院研究情報センター長)]
私も同じです。個別調整をずっと残すと、本来これが目指しているところと違うんじゃないかなと思うので、私もグルーピング化に賛成です。(中略)
[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
ありがとうございます。では、一応、形として......、よろしいでしょうか、1つの目標としてグループ化していく。実際の作業においては、それぞれ検証しながら、色々な知恵を出し合いながらやっていくという形でよろしいでしょうか?
▼ グループ化の方向で了承。
ありがとうございます。他にご意見ございますでしょうか。今日はこの図ばっかりでしたが、それ以外の所でもお気づきの点がありましたらぜひとも......。
これも揃えて(中医協総会に)ご報告しなければいけませんので......。もし、お気づきの点がありましたらお願いしたいのですが......。
▼ いつもは「中医協でご承認いただく」と言うのに、この日はなぜか「ご報告」としか言わなかった。
よろしいでしょうか。それでは、今日一番の重要ポイントがこれで......、ある程度の合意になりましたので、本日の議論は以上とさせていただきます。(以下略)
▼ 以前勤めていた会社で、新聞社出身の記者から「支離滅裂の記事だ!」と批判されたことがある。記事の冒頭に「大筋で了承」と書いておきながら、「様々な意見があった」という内容だったので、意味が分からなかったらしい。当然だろうと思う。
【目次】
P2 → 「医療機関群の特性に応じた設定を検討してはどうか」 ─ 厚労省
P3 → 「包括評価に『一定幅』という文言が分からない」 ─ 酒巻委員
P4 → 「基礎係数の中身が示されていない」 ─ 齊藤委員
P5 → 「個別に取り出して項目で評価するのは限界」 ─ 厚労省
P6 → 「A、B、Cはどういう区分けですか?」 ─ 齊藤委員
P7 → 「同一群であれば1つの数字」 ─ 厚労省
P8 → 「基礎係数はあくまで出来高を正確に反映」 ─ 厚労省
P9 → 「かなりの激変になるのではないか」 ─ 池上委員
P10 → 「病院ごとの基礎係数という考え方がいい」 ─ 小山分科会長代理
P11 → 「一本化できそうかデータを作って議論を」 ─ 伊藤委員
P12 → 「実際にいくつかの数字を出してみて」 ─ 相川委員
P13 → 「カラーの図で基礎係数がやたらデカイですよね」 ─ 吉田委員
P14 → 「25%という数字はあくまでも平成22年の時」 ─ 厚労省
P15 → 「調整係数が全くゼロになることは起こりえない」 ─ 西岡分科会長
P16 → 「個別調整をするのは適切でない」 ─ 厚労省
P17 → 「ある程度の合意になりました」 ─ 西岡分科会長
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