産科医療の現況と平成22年度診療報酬改定への要望
■ 女性医師の割合 ③
【海野信也氏(北里大学医学部産婦人科学教授)】
それで、これは今10年目、15年目の人たちがどう働いているかということですが、次のページ、これは新しく専門医になった、これは6年目の医師です。6年目の産婦人科専門医になった医師たちに、今どこで働いていますかということと、5年後に希望する就労形態は何ですかということを質問しました。
そうしますと、上段、今どこで働いているかということでいえば、大学病院であったり分娩取り扱い施設病院であったりする者が多いというのは、今そういうことは御理解いただけると思うんですが、5年後の状況を見ますと、女性医師で病院または診療所で非常勤またはパート勤務を希望するという医師が激増いたします。
これは、もうこの状況で5年先まで働くことは無理だと、それではとてもやっていけないということを現場の人間たちも分かっていると。
ちょっと非常に恐ろしい話ですけれども、そのつもりでいるのかもしれないということを示しているものであると思います。
【目次】
P2 → 要望の内容
P3 → 分娩施設の減少
P4 → 産婦人科医の減少
P5 → 長時間勤務の実態 ①
P6 → 長時間勤務の実態 ②
P7 → 長時間勤務の実態 ③
P8 → 女性医師の割合 ①
P9 → 女性医師の割合 ②
P10 → 女性医師の割合 ③
P11 → 働き続けられる状況にない
P12 → 産科医療危機の展開
P13 → 産科医療のデススパイラルと脱却
P14 → 「勤務環境確保加算」の新設を
P15 → 産科・周産期救急の問題点等
P16 → インセンティブ付与は実現したか
P17 → 現場からのお願い
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