産科医療の現況と平成22年度診療報酬改定への要望
■ 女性医師の割合 ②
【海野信也氏(北里大学医学部産婦人科学教授)】
次のページをごらんください。
これは科別で一応示してみたんですが、女性医師の割合が年齢層別でどうであるかということですが、ほかの女性医師が比較的多い小児科、眼科、麻酔科等、今20代で50%ぐらいがなっています。
が、産婦人科はそれに比べるとちょっと突出している状況にあるということが御理解いただけると思いますが、じゃこれらの女性医師が実際に働き続けることができているのかということが下段です。
これは一昨年に日本産科婦人科学会で調査をいたしまして、5年目まで、10年目まで、15年目までのそれぞれの医師が今どこで働いているかということを調査したということになります。
そうしますと、分娩取り扱い施設に勤務している医師というのが、男性の場合には15年目でも大体80%ぐらい勤務していると。
これは開業医かもしれませんし病院かもしれませんけれども、とにかくいずれにしてもそういう状況ですが、女性に関しましては、年を経るに従って分娩取り扱い施設をやめていくということになります。それで、大体15年で50%ぐらいになるということです。
これは、分娩取り扱い施設の特に病院の実情と申しますのは、先ほど申し上げたような勤務実態でございますので、ここで働き続けることができていないということが明白になっているということになります。
【目次】
P2 → 要望の内容
P3 → 分娩施設の減少
P4 → 産婦人科医の減少
P5 → 長時間勤務の実態 ①
P6 → 長時間勤務の実態 ②
P7 → 長時間勤務の実態 ③
P8 → 女性医師の割合 ①
P9 → 女性医師の割合 ②
P10 → 女性医師の割合 ③
P11 → 働き続けられる状況にない
P12 → 産科医療危機の展開
P13 → 産科医療のデススパイラルと脱却
P14 → 「勤務環境確保加算」の新設を
P15 → 産科・周産期救急の問題点等
P16 → インセンティブ付与は実現したか
P17 → 現場からのお願い
- 前の記事わが国の救急医療崩壊は再生可能か
- 次の記事新生児医療の現状と課題