産科医療の現況と平成22年度診療報酬改定への要望
■ 分娩施設の減少
【海野信也氏(北里大学医学部産婦人科学教授)】
次のページをお願いします。分娩施設の減少の実情を御説明申し上げます。
上段のグラフですけれども、分娩施設、現在、おおむね病院で1,200カ所、診療所で1,600カ所ということで、これは1993年の状態から見ますと大幅に減少しているということが御理解いただけると思いますが、これは年間出生数の減少速度よりもずっと速い速度で、その分だけお産する方が分娩施設を探すのに困る状況になっているという実情がございます。
下段ですが、これは病院と診療所でどのぐらいの分娩を取り扱っているかということの年次数字ですが、ごらんいただきますと分かりますが、過去十数年間にわたりまして下段のほうの診療所の出生数はほとんど変わらない。施設数は減っているわけですが。
病院の出生数は20%前後減少しております。つまり、全体で減少しているということと、診療所と病院のバランス、特に病院の現場での分娩の取り扱いというのに支障が生じている事態になっているということが御理解いただけるかと思います。
【目次】
P2 → 要望の内容
P3 → 分娩施設の減少
P4 → 産婦人科医の減少
P5 → 長時間勤務の実態 ①
P6 → 長時間勤務の実態 ②
P7 → 長時間勤務の実態 ③
P8 → 女性医師の割合 ①
P9 → 女性医師の割合 ②
P10 → 女性医師の割合 ③
P11 → 働き続けられる状況にない
P12 → 産科医療危機の展開
P13 → 産科医療のデススパイラルと脱却
P14 → 「勤務環境確保加算」の新設を
P15 → 産科・周産期救急の問題点等
P16 → インセンティブ付与は実現したか
P17 → 現場からのお願い
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