産科医療の現況と平成22年度診療報酬改定への要望
■ 産婦人科医の減少
【海野信也氏(北里大学医学部産婦人科学教授)】
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これは、今度は医師数のほうですが、産婦人科医師数と出生数とがどういう形で推移しているかということの過去15年ほどのデータですが、分娩施設と同様、産婦人科医の減少の速度が分娩数の減少の速度を上回っているということが御理解いただけると思います。
産婦人科は非常に、全体としてこの30年ほどずっと不人気でございまして、医師全体に占める産婦人科医の割合は一貫して減少しております。
これは下段のグラフです。
既にもう4%を切るという現状になっておりまして、私ども現場の実感といたしましては、産婦人科医、そんな10%は要らないと思うんですけれども6%は要ると思っておりまして、そこに至るための施策が必要だろうというふうに考えております。
これは、医師全体の数の問題ももちろんございますが、絶対数的に、今年間300人強が産婦人科医になっておりますが、とても足りないと。500人ぐらいの状態が10年ぐらい続かないと、とてもじゃないけれども現場はもたないというのが現状でございます。
【目次】
P2 → 要望の内容
P3 → 分娩施設の減少
P4 → 産婦人科医の減少
P5 → 長時間勤務の実態 ①
P6 → 長時間勤務の実態 ②
P7 → 長時間勤務の実態 ③
P8 → 女性医師の割合 ①
P9 → 女性医師の割合 ②
P10 → 女性医師の割合 ③
P11 → 働き続けられる状況にない
P12 → 産科医療危機の展開
P13 → 産科医療のデススパイラルと脱却
P14 → 「勤務環境確保加算」の新設を
P15 → 産科・周産期救急の問題点等
P16 → インセンティブ付与は実現したか
P17 → 現場からのお願い
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