産科医療の現況と平成22年度診療報酬改定への要望
■ 長時間勤務の実態 ①
【海野信也氏(北里大学医学部産婦人科学教授)】
そのもたないということの実情を示しております次のページから、産婦人科医の病院勤務医の長時間勤務の実態ということで、昨年度に産科婦人科学会で調査を行いました。そのデータを少しお示しいたします。
これは、実際に調査いたしますと外科系、外科、心臓外科、脳外科含めましてどの診療科でもほとんど同じようなデータになると思っております。
ですから、産婦人科は特別というわけじゃないですが、産婦人科はちょっと当直の数が多いという、その問題がありまして、それが多少影響しているかもしれません。
ごらんいただきますと分かりますが、この上段、当直体制のある一般病院というくくりで、年齢層別に月間の病院内にいた時間、出退勤時間を調査いたしまして在院時間を調査いたしましたところ、年齢も問わずと申し上げていいと思いますけれども、300時間を超えるような非常に長時間の病院内の在院実態があるということが分かると思います。
下段は、大学病院のデータです。
大学病院に関しましては、大学病院内にいるのも長時間なんですが、それに加えてアルバイト収入で生活している部分もございますので、非常勤施設での在院時間を加えるとさらに長時間の実態がございます。
これで、生活を支えるとともに、地域医療を支援していると、地域の医療機関の人手不足もそこで補っているというところがあるわけでございます。
【目次】
P2 → 要望の内容
P3 → 分娩施設の減少
P4 → 産婦人科医の減少
P5 → 長時間勤務の実態 ①
P6 → 長時間勤務の実態 ②
P7 → 長時間勤務の実態 ③
P8 → 女性医師の割合 ①
P9 → 女性医師の割合 ②
P10 → 女性医師の割合 ③
P11 → 働き続けられる状況にない
P12 → 産科医療危機の展開
P13 → 産科医療のデススパイラルと脱却
P14 → 「勤務環境確保加算」の新設を
P15 → 産科・周産期救急の問題点等
P16 → インセンティブ付与は実現したか
P17 → 現場からのお願い
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