産科医療の現況と平成22年度診療報酬改定への要望
■ 現場からのお願い
【海野信也氏(北里大学医学部産婦人科学教授)】
ということで、何とか、この算定されないというのがなぜ起こるかといいますと、次のページですが、この負担軽減に対する体制に関する要件がございまして、病院勤務医の勤務時間を把握しなさいということがございました。
これをやると、労働基準監督署に必ず上げられるということが病院では分かっておりますので、これはできませんと病院の事務は言っております。
ということで、算定を中止する病院が続出しているというのが現実です。
お願いしたいのは、施策はもう本当にやっていただきたいんですが、この縦割り行政の中でアクセルとブレーキを同時に踏まれると現場はやっぱり動かないです。
それで、今回の20年度の改訂の施策はアクセルを踏んでいただいたんだと思うんですが、ちょっとうまくギアが入っていないような気がするということで、うまくそこを調整していただいた上で、何とか病院の現場が適正な勤務環境で適正な処遇を行えるようになるように、今現実は全くそうではないということを御理解いただきたいと思います。
すみません、以上でございます。
▼ 質疑応答は議事録を参照。2010年度改定で、「勤務環境確保加算」の新設は実現しなかった。
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【目次】
P2 → 要望の内容
P3 → 分娩施設の減少
P4 → 産婦人科医の減少
P5 → 長時間勤務の実態 ①
P6 → 長時間勤務の実態 ②
P7 → 長時間勤務の実態 ③
P8 → 女性医師の割合 ①
P9 → 女性医師の割合 ②
P10 → 女性医師の割合 ③
P11 → 働き続けられる状況にない
P12 → 産科医療危機の展開
P13 → 産科医療のデススパイラルと脱却
P14 → 「勤務環境確保加算」の新設を
P15 → 産科・周産期救急の問題点等
P16 → インセンティブ付与は実現したか
P17 → 現場からのお願い
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