足立信也・参院議員インタビュー
――患者被害者からは、形はどうであれ早く第三者機関を作れという声も出てい
ます。
民主党のプロジェクトチームでも患者遺族からヒアリングをした。彼らが怒っ
ているのは、医療機関に嘘をつかれたことや事実を隠されたこと。しかし大きな
病院では既に、広尾病院事件などの教訓を生かし自助努力を重ねてきて、逃げな
い・隠さない・ごまかさないが、ほぼ共通認識になっている。その過去の話を掘
り返している感じがある。自然死か否かで嘘をついたら罰せられるような仕組み
を作れば解決する。診断書を書く前にインフォームドコンセントするようにして
も構わないのかもしれない。
ひるがえって第三次試案が患者遺族の願いに即しているかといえば、遺族側の
意見を聞くというのも入口だけに過ぎず、医療側との軋轢の解消には何も役に立
たない。彼らの問題意識は何も解決されないはず。彼らもまた医療者たちと逆の
方向に拡大解釈しているか、騙されている。できてしまってから、こんなはずで
はなかったと思うのだろう。
結局、第三者機関ができた後に残るのは、既に健康保険法や医療法等で存在す
る厚労省の調査権と処分権の両方の権限強化・肥大化だけだ。