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ニュース〜医療の今がわかる

DPC病院のグループ化、報酬格差を付ける意図はない?

■ 「私どもで資料を作らせていただいた」 ─ 厚労省
 

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 おはようございます。それでは、委員の皆様ご着席のようですので、ただ今より、第30回(中医協)調査実施小委員会を開催いたします。(中略)

 ▼ 資料はこちら

 医療機関調査、保険者調査、いかがでしょうか。それでは、ただ今のご議論の内容を踏まえた形で、今後の基本的な方針......、より詳細なものですね、それと調査票案、これらの作成を(厚労省に)お願いしますので、それをまたこちらで審議させていただきたいと考えます。

 それでは、本日の小委員会はこれにて閉会したいと思います。(中略)ありがとうございました。では、一呼吸おきましょうか。(10時)30分から総会を開催したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 ▼ 休憩。中医協は総会の下に小委員会や部会があり、同一日に同一会場で開催される場合が多い。

 定刻となりましたので、ただ今より第185回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。(中略) 委員の出欠状況ですが、(中略)邉見委員(全国自治体病院協議会会長)の代理で、全国公私病院連盟の原澤茂さん(埼玉県済生会川口総合病院院長)がお見えになっておられます。(中略)

 ▼ 邉見公雄委員は昨年12月15日の前回会合に続き今回も欠席。ご病状はかなりお悪いのだろうか。 

 (医療機関の保険適用、先進医療の議題を終えた後)では、引き続きまして、「DPCの基本的な考え方について」を議題としたいと思います。

 本日は、診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会の西岡分科会長がお見えになっておりますので、西岡分科会長よりご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 ▼ DPC病院を「A群」「B群」「C群」などに分けようという厚労省の方針について中医協総会で議論するのは、この日が1回目となる。議論のベースは、昨年12月16日と今年1月13日に開催された下部組織(DPC評価分科会)での議論。12月16日の議事録はこちら。「調整係数」を「機能評価係数Ⅱ」に置き換えるべく苦悩(?)してきたこれまでの流れを変える大きな転換点となった。
 主なポイントは、DPCに参加する時点で獲得した「調整係数」をずっと引っ張るのはやめようね、ということで合意したこと。さらに、「調整係数」を「機能評価係数Ⅱ」に個別項目で置き換えるのは無理ですね、ということを確認したこと。この2点が大きい。
 続く1月13日の分科会で厚労省は、上記の考え方を一歩進めた方針を示した。「調整係数」を個別に「機能評価係数Ⅱ」に置き換えるのは無理なので、その大部分を「基礎係数」に置き換え(or 廃止?)、その「基礎係数」をグループ分けしたらどうかという提案。これは、乱立するDPC病院に報酬格差を付ける方針とも言える。医療提供体制という面では、「社会保障国民会議」の最終報告に示された「B2」「B3」シナリオに向けて大きく舵を切ったとも言えるだろうか。
 今回の提案には並々ならぬ厚労省の気合が感じられる。担当は保険局医療課の迫井正深企画官で、「この方針で行くんだ」という強気の姿勢を見せた。一傍聴者の立場から見ると、「皆さんでご議論いただきたい」という進め方よりも、官僚がズバッ!と方向を示した方が分かりやすい。どうせ厚労省の方針通りに着地するのだから......。
 1月13日の分科会での迫井企画官の説明は、「DPC病院を「A」「B」「C」......に格付けか」を参照。これに対する委員の意見は、「勝ち残るのは、やはり特定機能病院?」を参照。

[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
 よろしくお願いいたします。(中略)検討の過程で、いくつかの点につきまして、今後の検討や対応を考える上で中医協のご判断あるいはご確認を得ることが必要と考えられる事項が出てまいりました。(中略)

 ▼ DPC評価分科会も総会も厚労省がコントロールしている。分科会で議論してから総会に上げて承認をもらい、さらに分科会で進めるという「手続き」を踏んでいるだけ。

 まず、事務局(保険局医療課)から、これら資料の概略について説明をお願いしたいと思います。(中略)

 ▼ 資料はこちら

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 それでは医療課企画官、どうぞ。

[保険局医療課・迫井正深企画官]
 はい、医療課企画官でございます。それでは、(中略)ご説明させていただきます。(資料)「総-3-1」と「別紙」は、これまで(DPCの)基本的な考え方を何度かに分けてご議論いただき、ご整理いただいたものをまとめたものでございます。(中略)

 ▼ 「総-3-1」はこちら、「別紙」はこちら

 ここまでは基本的な考え方、制度の概要を整理していただいた成果でございます。最後、簡単に(資料)「総─3─2」について、資料の構成だけをご説明させていただきます。

 分科会長がこれからご説明されると思いますが、私どもの方で資料を作らせていただいております。(中略)

 ▼ 資料「総─3─2」はこちら
 今後の課題として、(1)精神病棟への対象の拡大、(2)1入院当たり算定方式への移行、(3)調整係数見直し後の医療機関別係数の在り方─の3つの論点を挙げている。
 それにしても、まるで予備校のテキストのようだ。よくもまあ短期間でこんなものを作れるな、と驚かされる。中医協が終わった後のブリーフィング(記者説明)が始まる前、業界記者らと交わす合言葉は、「まず答え合わせをしなくちゃね(笑)」......。

 

【目次】
 P2 → 「私どもで資料を作らせていただいた」 ─ 厚労省
 P3 → 「今後さらに具体化の作業を進めたい」 ─ 西岡分科会長
 P4 → 「新しい提案であり一番議論になるだろう」 ─ 遠藤会長
 P5 → 「ぜひやっていただきたい」 ─ 西澤委員
 P6 → 「22年度改定後は白紙との決定だった」 ─ 厚労省
 P7 → 「意図的に階段状にする趣旨ではございません」 ─ 厚労省
 P8 → 「やはり基本的な部分がある」 ─ 厚労省
 P9 → 「中小の医療機関にとってさらに厳しい」 ─ 鈴木委員
 P10 → 「グループで分けた方が適切」 ─ 厚労省
 P11 → 「図の調整係数があまりにも大きすぎ」 ─ 北村委員
 P12 → 「どうやって『基礎係数』を決定するのか」 ─ 嘉山委員
 P13 → 「差があることが実は健全ではないか」 ─ 嘉山委員
 P14 → 「特定機能病院だから一塊ではない」 ─ 西岡分科会長
 P15 → 「検証の仕方が足りないのではないか」 ─ 嘉山委員
 P16 → 「調査、分析については合意が得られた」 ─ 遠藤会長

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