DPC病院のグループ化、報酬格差を付ける意図はない?
■ 「22年度改定後は白紙との決定だった」 ─ 厚労省
[鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)]
私の記憶では、前回(2010年4月)改定のとき、この分野の話し合いのときは、「新しい機能評価係数」をどのぐらいの回数の改定で置き換えていくかみたいな話があった。
▼ 厚労省は09年11月30日のDPC評価分科会で、「基礎係数」という新たな概念を提案した。これは現在の「調整係数」を段階的に廃止してもなお残るベースの部分というような説明だった。その際に示された図は次の通り。
「現行」から「平成XX年」に完全移行するまでの間は「暫定調整係数」で、「基礎係数」については「今後のご議論」ということだった。
確か、「3回の改定を経て」とか、(調整係数のうち)「25%ずつ(を機能評価係数Ⅱに置き換える)」という話などが出ていたと思います。
今回、これ(資料)を見ますとですね、全然そういうことは述べられていない。
それは、考え方が変わってしまったということでしょうか。
[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
確か、(何%を置き換えるかという)ファイナンスの話では色々議論はありましたけれども、最終的には今回改定で25%分だけ動かすということで、そこから先は白紙の状態であったと理解しています。
▼ 何回で何%ずつ置き換えるかは白紙と言えるかもしれないが、「調整係数を段階的に機能評価係数に置き換えていく」という合意はあったのではないか。いや、わざわざ「合意」するまでもなく、それを所与の前提として議論していたように記憶している。
事務局(保険局医療課)に確認したいと思います。
[保険局医療課・迫井正深企画官]
医療課企画官でございます。会長、ご指摘の通りでございます。もともと事務局としては何回かの改定で......。
具体的に言いますと、4回の改定で最終的にというご提案も......セットで提案させていただきましたが、やはり22年度改定の影響を踏まえて、その後の道筋を考えるべきだということで、その後については白紙ということで決定していただいたように思います。
▼ 厚労省の担当者が持参しているDPCの点数表にも、カラーで上記の図が入っており、「暫定調整係数」「平成××年」などが示されている。改定後に出された各出版社の解説本でも、「調整係数」を徐々に「機能評価係数Ⅱに置き換えていくという説明ではなかっただろうか。「白紙」と言い切るのは......。
一応、そういう前提で(資料)「総─3─2」の3ページ。
▼ 資料「総─3─2」はこちら。
先ほど(西岡)分科会長もお話しされましたが、あくまでも今回は最終的な絵姿の検討です。それに向かって、どういう風な経過措置やスケジュール、これは別途この場でご検討いただくべき内容だと理解しております。
▼ とすると、次期改定に向けた話ではなく、「平成××年」に向けた議論ということ?
[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
はい、鈴木委員、どうぞ。
【目次】
P2 → 「私どもで資料を作らせていただいた」 ─ 厚労省
P3 → 「今後さらに具体化の作業を進めたい」 ─ 西岡分科会長
P4 → 「新しい提案であり一番議論になるだろう」 ─ 遠藤会長
P5 → 「ぜひやっていただきたい」 ─ 西澤委員
P6 → 「22年度改定後は白紙との決定だった」 ─ 厚労省
P7 → 「意図的に階段状にする趣旨ではございません」 ─ 厚労省
P8 → 「やはり基本的な部分がある」 ─ 厚労省
P9 → 「中小の医療機関にとってさらに厳しい」 ─ 鈴木委員
P10 → 「グループで分けた方が適切」 ─ 厚労省
P11 → 「図の調整係数があまりにも大きすぎ」 ─ 北村委員
P12 → 「どうやって『基礎係数』を決定するのか」 ─ 嘉山委員
P13 → 「差があることが実は健全ではないか」 ─ 嘉山委員
P14 → 「特定機能病院だから一塊ではない」 ─ 西岡分科会長
P15 → 「検証の仕方が足りないのではないか」 ─ 嘉山委員
P16 → 「調査、分析については合意が得られた」 ─ 遠藤会長