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健康保険、介護保険、年金手帳を一つにする「社会保障カード」の検討会

 健康保険証と介護保険証、年金手帳の機能を一枚のICカードに集約する「社会保障カード」(仮称)について議論してきた、厚生労働省の「社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会」(座長=大山永昭・東工大大学院理工学研究科教授)の作業班は、4月2日に開かれた第13回会合で、医療機関がカードを使って患者の医療保険資格を確認する方法など、具体的な運用について報告した。(熊田梨恵)


■社会保障カードをめぐって

 社会保障カードは、厚労省が2007年に提案していた、健康保険証をICカードにして過去の病歴や受診内容を医師や患者が見られるようにする「健康ITカード(仮称)」が発端となって議論が始まったものだ。健康ITカードについては、07年度中に一定の結論を出すはずだったが、その頃に年金記録問題が起こっていたため、政府・与党が、国民が自分の年金記録をパソコンなどから確認でき、健康保険証と介護保険証の機能も併せ持つ「社会保障カード(仮称)」を導入するとの案を打ち出した。社会保障カードの導入は、政府のIT戦略本部の「重点計画-2007」にも盛り込まれ、07年度内をめどに結論を出し、2011年度中の導入を目指すとされた。

 これに伴って、厚労省は07年9月に同検討会を設置し、社会保障カードの基本的な構想や、運用方法などについて議論を進めた。しかし、医療・介護・年金という3つの制度に関する番号などの情報をどう統一するのか、本人を識別できるようにする番号についてはどう考えるのか、また番号は目で見えるようにするのかなどさまざまな意見が上がり、ほかにもセキュリティの問題、データベース構築や運用の方法など問題が山積し、議論は毎回紛糾。加えて、政府が「重点計画」の中で創設を打ち出している「医療機関や保険者などが個別管理している情報を、希望する国民が自ら入手・管理できる」機能を持った「電子私書箱」(仮称)との連携や、2011年度からのレセプトオンラインの導入、住民基本台帳カードとの兼ね合いなども考慮する必要があった。

 このため、08年1月に大枠としての「社会保障カード(仮称)の基本的な構想に関する報告書」を取りまとめたものの、カードの具体的な運用方法や仕組みについては3月に作業班を設置し、さらに検討することになった。08年中も厚労省は検討会の開催を続け、論点を整理しながら議論を進めてきた。

 しかし、外部から社会保障カード導入について批判的な意見を受けることもあった。日弁連からは「『国民総背番号制』の危険を内包している」として検討の進め方を抜本的に見直すよう求める意見書が出され、日医は社会保障カード導入のための調査に協力姿勢を示さなかった。保団連も「医療費抑制につながる」として反対意見を出していた。


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