入院、外来、在宅医療について(総論) ─ 質疑応答
■ [診療側] 改革シナリオ等
[嘉山孝正委員(国立がん研究センター理事長、山形大医学部大学院教授)]
えーっと質問をちょっと......、それから問題点を挙げるのと、それからあとは提案と......それからあと最後の狙いがあるんですけど......。
えーと、これ非常にあの、今回の厚生労働省が出したプランと言うんですか、それから現状分析では非常に参考になっていいと思うんですね。
これ、結論は今、牛丸先生もおっしゃっていましたが、スライドの19、21ですね、これはもう............発表の眼目だと思うんですね。で、19にはまあ、現実から25年への......、結果が......検討項目まで出ていて......。
21......、スライド21は現状ですね。
ですから、高度急性期から一般急性期というふうに2025年にはなる......、したいということが書いてある。今あるのは、21ページにあるように、いろんな項目がある。それをまあ、スマートにしたいというお考えだと思うんですが......、問題点を......、これから乗り越えなきゃいけない問題点をですね、ちょっと挙げさせていただきますと......。
例えばですね、スライド7が現状だと思うんですね。これがスタートになる。このスライド7で、例えばですね、患者の目線からですね、自分のお腹が痛くなったと。お腹が痛くなった。腹痛ですね。お腹が痛くなった時に、従来では、2011年だったら一般病床に入るわけですね。
ただしね、2025年だと、ファンクション(病院機能)が別になっているんですけど、患者さんにとってはね、ファンクションは分かんないんですよ。
なぜかって言うと、腹痛の原因はですね、例えば、白川先生がたくさん食べ過ぎて消化不良になるとかですね、そういうような......、あるいはほっといても治るやつとかですね。あとは胃炎、潰瘍、がん、大動脈瘤、イレウス、虫垂炎......、だんだん信用度が......なってきますけど、それから膵炎、胆嚢炎という......、
要するに、そういうのは要するに同じ腹痛でも、患者さんには分からないんですね。要するに入り口です。医療の中身の入り口は患者さんには......、判断はなかなかできないんですよ。
ですからこれを、今は......、日本の......、医療行為の結果は世界一なんです、がんによる死亡率なんかは。アメニティは違いますよ。何時間待たせるとか、そういうアメニティーは違いますけど、医療結果に関しては世界一。長生きしますから、がんの治療をして......。
そういうような医療制度をですね......、やっぱり患者さんが、国民が病気になったときに、今の制度で一番いいのはフリーアクセス(自由な受診)なんですよ。これが日本の医療の制度を良くしているんです。(軽症救急など)いろんな問題はあるんですけど......。
この......、結局、我々がやることは患者さんの健康を守るということですから、それを壊すようなことは......、まあ、これは絵なんですけど、今、1つの例を出しました。腹痛っていうだけで、そんなにすっきりとは、この絵の上に乗っかりませんよ、ということをお話ししたいと思います。
それから、現実には今お話ししたように、日本の医療計画......、もちろん部分的にはアメリカ......、欧米等々......ありますが、日本の外科医の......、去年の外保連(外科系学会社会保険委員会連合)のデータをご覧になっても、胃がんの手術結果は世界一なんですね。そういうことから見ますと......。
ですから今、結果はいいんですけれど、どこに問題があるかということをやっぱりこの中医協で取り上げて、それを診療報酬で修正していくっていうのが私は国民のために幸せだと思うんですね。
で、1つの問題としてはやっぱり現実に今、医療崩壊が起きている。新聞にも、今日のデータにも出ていますけれども、過重労働ですね。これを......、あと地域格差。
今、現時点では外科学会、あるいは脳神経外科学会......、(診療)科の偏在。あと20年後には盲腸を切れる外科医はほとんどいなくなる......、というようなこともあるんで......、そういうデータが出てきていない。
それからあと、看護のスタッフ数。これは日本看護協会の福井先生が(専門委員として)いらしていますが、日本看護協会が何と言おうとも絶え間なく絶対量が足りなくなる。50万、亡くなる方が増えるときに、医者1人がいるよりは看護師さんにみてもらうほうがいい。これが必要なわけですよね。そういうようなことも、日本看護協会は動いていかない。
それから自由にですね......、これもまあ、日本の一番不幸なのは、自分の受けている医療が世界で最低だと思っている、かわいさ......、「かわいそさ」ですね。ですからやっぱり、患者さんに満足度をやっぱり、医療資源も入れてもらわないといけないですね。そのためには、やっぱりアメニティも切ってはいけない。医療の......をする難しさ。
それからあとは無駄な医療を......、先ほど北村先生(経団連)がきちっと「効率的な医療を」と......。ただ、無駄でありながら無駄でないのもあるので......、先ほど言ったフリーアクセスが医療を、私は押し上げていると実は思っている。あまりみんなは分かっていないですけど。無駄でありそうで無駄でない。つまり、どこにも全部......がある。
「タダ」ということもあるんです、確かに。(価格が10~20億円する)3テスラのMRIが必要な病気がどのぐらいあるか、実は数的にはすごく少ないんですけど、それは患者さんにとっては分かんないんですよ。自分の病気に3テスラの機械が必要かは。でも今、日本はフリーなので、それで、(1回数十万円の検査費が)すごく使われる。そういうような点もある。無駄なようで無駄でない(ママ)というところもあるんで......。
北村先生が今おっしゃったような効率的な医療を充実することは大事なんです。それは現実にやっているわけなんです。そういうふうに思います。それをどうやって、こん中からあぶり出すかですね。
ですから3番目はですね、地域の偏在。これはどうしても......。先週、医師のマッチングが出ました、全国80大学の。
▼ なお、参考までにこちらのページで、「都道府県」を選択すると病院名がズラーッと出てくる。「1位希望人数」が定員を上回っている病院を知っておくといいかもしれない。
ザッと見たところ東京で目立つのは、▽NTT東日本関東病院 ▽虎の門病院 ▽三井記念病院 ▽聖路加国際病院 ▽東京厚生年金病院 ▽東京慈恵会医科大学附属病院 ▽東京大学医学部附属病院 ▽東京逓信病院 ▽東京都済生会中央病院 ▽東京都立駒込病院 ▽東京都立多摩総合医療センター ▽東京都立広尾病院 ▽東京都立墨東病院 ▽独立行政法人 国立国際医療研究センター ▽独立行政法人 国立病院機構東京医療センター ▽日本赤十字社医療センター ▽武蔵野赤十字病院─など。
やはり東京集中です。もう、東大が一番。それから、病院では国際医療センターが2倍も、3倍の多さ。やはり変わっていないんですね。
▼ 医師の強制配置が法的に難しいので、厚労省は「医療機関の適正配置」を計画しているふしがある。その要が、次期改定で導入される予定の「医師密度」という基準。つまり、研修医をたくさん確保できる病院が有利になる方針が既に示されている。嘉山委員の発言は今後の医療政策を考える上で極めて重要だが、診療報酬の個別点数がどうなるかをいち早く予想したい人にとっては興味のない話だったかもしれない。傍聴席では、パラパラと離席する姿が目立つ。私の隣席にいる時○通信の記者はツイッターを眺めている。やり手の業界記者でさえ、携帯をカチャカチャいじくっている。介護関連団体の女性幹部も席を立った。私もそろそろ......?
でー......、ちょっと私が国立大学のまとめ役で、医師(増員)の閣議決定......、(医学部定員を)増やした時からですね、あと3年後に大学を出ますが、人数を増やして出てきても、(2年間は見学のような研修なので実戦力にはならず)それが実数としてどうなるのかというのは、まだまだできていない。
▼ そのため初期研修の期間を1年に短縮すべし、との議論もあった。懐かしい。
こういうふうな......、いい、すごい、素晴らしい絵を描くんであれば、結局は、そうすると......、医者と看護師がどうやって......、コミュニケーション......、どう動くかどうかは......あるので、その辺のことも......、牛丸先生もちょっとおっしゃっいましたけれども......、勘案して医療費を付けないと、大変なことになる。これを......考えておく......ということだと思います。
それからあと、年次推移が......。これは先ほど、代理の方がお話しになったようにですね、50万......、40万......、これよりもうちょっと多いんじゃないかと思うんですが、2030年には......、スライドの4なんですけど......
亡くなる方が今までよりも40万も50万も増えると。これを......、今の病院はもう増やすことはできない。そうすると、在宅で死ぬしかないと思うんですけどもね。
要するに、我々が1975年......、僕がちょうど医者になったころは30%か40%、大学で亡くなってたわけです。そのためには、社会制度も変えないといけないですね。そういうことも考えていかないと、「在宅でやれ」って言ったって、働いている......、共働きがほとんどですから......。
そうすると、在宅にどうやって運ぶんだという......、「中医協マター」です。このことを問題点として......、この絵のようにするにはそういう問題点を乗り越えなきゃならないよ、ということです。
それから2番目はですね......。
▼ 確か、先ほど「3番目は」とおっしゃった。退席相次ぐ。時計の針は午前11時を回った。のどかな秋の厚労省。そう言えば、しばらく山に登っていないなあ......。
でー......、この、あの完成図の......、えーと......、先ほどのスライド7の右側の2025年の高度(急性期)の......、ファンクション......。これはですね、実はですね、これが......、これにどのぐらい資源が必要で......、ちょっと分かるような......あると考えているんですね。
で......、これは提案なんですが、例えば、胃がんの......、脳卒中でもいいんですけど、ある疾患のクリティカルパス、クリニカルパスをきちっと書くとですね......、書ければ、そこに、例えば急性期から慢性期から在宅、あるいは療養と、社会復帰、職場復帰......、これは絵が全部書けると、そこに何人の看護師が必要で、どのぐらいの入院期間が必要で、どのぐらいのハードが必要かって言うのが、絵が描けるんですよ。
ところがですね、がんでも今、がんセンターでもなかなか絵が描けてないですよ。それはやっぱり、まだコミュニケーションが取れてないからだと思うんですけど、それを克服するには......、何とか描けるようにするような方向は、中医協マターなんで、パスを書けば......。
そうすると、そのデータが全部取れますから、そうするとどこにアクワイア......、医者が何人必要なのかというのが出てくるんで、パスのことをやっぱりきちんと、とらえていただきたい。パスが見えてくるんです、患者に......、で、患者さんも安心するんですね、自分はどういうふうになるのかっていう......、それをお願いしたいと思います。
最後にこれ、お願いなんですが、我々が出した、2号側で出した資料の中でも使えるものがありますから、今回、この資料、大変立派な資料だと思うんですけれども......
例えば勤務医の労働時間以外のですね......、どれぐらい出ているかっていうデータもありました。それから診療所のデータもありましたので、我々としてはまた事務局にお願いしてですね、そういう資料を使って、ここの議論をしていただきたい。これはお願いです。以上です。
(鈴木課長が挙手)
[森田朗会長(東京大大学院法学政治学研究科教授)]
はい、ありがとうございました。
(鈴木課長の挙手には気づいている様子)
えーっと、かなりいろいろとご発言がございましたけど、さらにございますか? また、ご議論いただくとして、とりあえあず、重複したご質問もあったと思いますので、事務局からお答えいただきます。
[厚生労働省保険局医療課・鈴木康裕課長]
はい、医療課長でございます。
【目次】
P2 → [診療側] 地域特性への配慮
P3 → [診療側] 「地域に密着した病床」の意味
P4 → [支払側] 一般病棟の長期入院等
P5 → [診療側] 改革シナリオ等
P6 → [支払側] 一般病棟の長期入院等
P7 → [診療側] 改革シナリオ等
P8 → [支払側] 「地域一般病床」の算定根拠等
P9 → [支払側] 一般病棟の長期入院等
P10 → [公益側] 中医協の審議範囲等
P11 → [診療側] 改革シナリオ等
P12 → [厚労省] 「具体的なご質問にだけお答えしたい」
P13 → [診療側] 療養病床の削減方針
P14 → [厚労省] 「亜急性期に3つが混在している」
P15 → [診療側] 在宅療養支援診療所等
P16 → [診療側] 「地域に密着した病床」等
P17 → [支払側] 診療科別の医師数等
P18 → [公益側] 診療計画の公表等
P19 → [診療側] 改革シナリオ等
P20 → [支払側] 改革シナリオ等
P21 → [診療側] 診療報酬改定の重点課題
P22 → [診療側] 改革シナリオ等
P23 → [厚労省] 「先を見越した課題に取り組んでいく」