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まず胸骨を押せ 心臓突然死ZEROアクション宣言 日本医療学会

iryougakkai.JPG 昨日まで元気だった人が急に倒れて亡くなる突然死が毎年約10万件発生しており、その6割ほどは心臓に原因のある『心臓突然死』らしいということが、11日に開かれた日本医療学会のシンポジウムで発表された。シンポジウムでは、この心臓突然死を減らすため国民的運動を展開することが宣言された。(川口恭)

 心臓に原因があって倒れた場合、脳への血流も絶え、脳のほうが早く致命的状態になってしまう。速やかに救急車を呼んだ後は、救急隊が到着するまで、脳へ血流を外力で強制的に送り込む心臓マッサージが必要となる。ところが一般常識では、脳卒中などを疑って無闇に動かさないことになっており、今後その誤解を解くような知識啓発と、イザという時に立ちすくむことのないような蘇生講習とが必要になる。

 『心臓突然死 心肺蘇生』と題されたシンポジウムでは、消防庁の溝口達弘救急専門官が救急搬送データに基づいて、「年間500万人が救急搬送されており、10万人が心肺停止状態、うち6万人は心臓に原因があったと分類されている。6万人のうち倒れた瞬間の目撃者がいるのは2万人。このうち10%は1ヵ月後に生存しており、6.1%は社会復帰している。05年には3.3%の社会復帰だったから倍近くまで上がっている。この要因としては応急手当の講習受講者がどんどん累積されているということとAEDの普及とがあるだろう。

救急隊が到着するまでに応急手当が行われた人と行われなかった人とはちょうど半分半分。ただし3年前には手当てされていたのが40%だったので、これも着実に上がっている。応急手当のあった人の社会復帰率は8%、なかった人は4.4%で明らかに差がある。AEDの適用があって電気ショックを実施したのは300例だが、35.5%が社会復帰している。

心肺停止は高齢者に多いが、社会復帰率だけを見れば若い世代の方が高い。このようなことからも学校などにAEDの置いてある意義は高いだろう」などと述べた。

 また帝京大学の坂本哲也・救急医学講座主任教授は応急手当について以下のように解説した。
「救命には4つの段階がある。最後の『専門的な蘇生』までつなぐ前の3個は皆さん市民の役割。そのために心肺蘇生を覚えてもらいたい。まず最初は迅速な救急要請。119番するまでに動転して2~3分かかってしまう人が多い。そうではなくて、呼びかけて応答がなかったらすぐ119番を頼む。AEDがあるようなら取りに行ってもらう。

次が迅速な心肺停止。特に最も重要なのは胸骨圧迫。気道を確保して息をしているか10秒以内で確認。眠っているような息なら心肺停止ではない。あえぐようだったり途切れ途切れだったら即座に胸骨圧迫。乳首と乳首の真ん中を手のひらのつけねを置いて4~5㎝沈むぐらいに真っ直ぐ下へ押す。これを毎分100回。大事なのは強く、速く、絶え間なく。

従来は人工呼吸も重視していたが、もしできる人で余裕があるならやっていただきたいが、人工呼吸するのも10秒以内。それ以内にできないなら、ひたすら胸骨圧迫。皆さんはプロではなくボランティア精神でやるのだから完璧をめざす必要はない。できる最善をすればよい。それにはとにかく胸骨圧迫。

 三番目が迅速な除細動。AEDがあったらやる。しかし機械の指示で離れるとき以外、胸骨圧迫は休まない」

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