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「俺、この医療機関が嫌いだから、Dにしちゃおう!」

保険局医療課の担当者0819.jpg 先進医療を審査する会議で、「俺、ちょっとこの医療機関が嫌いだから、D(先進医療の取り消し)にしちゃおう!」と言う委員がたくさんいるらしい。(新井裕充)

 厚生労働省は8月19日、先進医療専門家会議(座長=猿田享男・慶應義塾大医学部名誉教授)を開き、2010年度の診療報酬改定に向けたスケジュール案を示した。

 案によると、昨年7月から今年6月末までに実施した先進医療の実績を踏まえ、10~11月に「一次評価」を、12月に「二次評価」を行った上で、来年1月の中医協総会に最終的な評価を提出する。このスケジュール案については反対意見がなく、了承された。

 ただ、新規の医療技術を評価する審議会の在り方について意見が出された。吉田英機座長代理(昭和大医学部名誉教授)は、「(評価する委員の)氏名は全部非公開ですね」と確認した上で、次のように質問した。
 「公開の場でなく話し合いをしてもいいんですか、これ? 駄目なの? 勝手に、『俺、ちょっとこの医療機関が嫌いだから、Dにしちゃおう!』と言うのが一杯いるんですよ。(多くは)真面目に付けているとは思うが、中にはいる。『どうしてもDにするんだ!』と言う人がいるんでね、そういう場合、どうするんですかね?」

 この発言に対し、他の委員だけでなく事務局(保険局医療課)も爆笑。猿田座長は、「その場合、やっぱりここの委員会(先進医療専門家会議)が一番......、最終的には力を持つということではないだろうか。そこが大切」と回答したが、各審議会の権限関係は不明確なままだ。

 金子剛委員(国立成育医療センター医長)は、先進医療が保険適用された後の点数設定の問題に言及。「この先進医療の点数、(保険適用されて)10分の1とかになってしまうと、それが使われなくなってしまう」と指摘したが、厚労省の担当者はこれまでと同様、「中医協でご審議いただきたい」とかわした。

 しかし、先進医療技術の点数が中医協で個別具体的に審議されることはほとんどない。中医協は専門家会議の結論を尊重する傾向にあるが、専門家会議で厚労省は「中医協でご審議を」とかわす。このため、個別点数の行方を医療課の担当者のみが知るという状況は相変わらず続いている。

 非公開審議の在り方にも問題がある。厚労省は「評価の公平性を担保するため」という理由で、医療技術評価分科会での審議を非公開にするだけでなく、審査を担当した委員の氏名も非公表にしている。しかし、公開したほうが公平性を担保できるという判断はないだろうか。

 このほか同日の会合では、「保険導入しても(居住地によって)受けられる患者さんが限られてしまう」といった指摘など、先進医療をめぐる問題についてさまざまな意見が出された。詳しくは、次ページ以下を参照。
 

 【目次】
 P2 → 「先進医療の保険導入等の検討方法」について ─ 厚労省説明
 P3 → 「この委員会が最終的に力を持つことが大切」 ─ 猿田座長


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