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「ドラッグ・ラグ」「2010年問題」などを議論 ─ 中医協(6月23日)

■ 総会③ ─ 次期改定に向けた支払側の意見等
 

 総会ではこのほか、白川修二委員(健保連常務理事)が支払側を代表して、次期改定に向けた意見を中医協に示した。これは、5月26日の中医協総会で診療側から出された意見を受けたもので、答申の付帯意見に沿って整理されている。
 診療側が要望した調査項目についてはおおむね同意しているが、▽技術とモノの分離 ▽ドクターフィー ▽地域特性の考慮─の3点について「慎重な検討」を求めた。

 このうち、「技術とモノの分離」については「技術料設定の考え方や基本診療料についての考え方など、様々な検討課題が考えられるため、検討の対象を絞り込むなど、慎重に検討すべき」とした。
 このため、「絞り込む」の意味などをめぐって議論になったが、調査項目の一覧表などを事務局(保険局医療課)が整理した上で、次回以降に引き続き議論することになった。

 最後に、西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)が新薬創出等加算の対象となった品目について、医薬品の卸業者などが医療機関に値上げを求めていることを指摘、厚労省の見解を求めた。
 保険局医療課・磯部総一郎薬剤管理官は新薬の加算と取引価格は別モノであると回答。「(新薬創出等加算による薬価の値上げは)想定しなかったし、あくまでも薬価の算定方法なので、それが(取引)価格に影響を与えるものではないと思っている」と説明した。

 さらに、磯部薬剤管理官は苦笑いしながら次のように補足した。
 「メーカーさんや卸さんたちの言い方として、『それなりに理解できるな』と思うのが一つある。薬価算定方式において、個々の製品ごとの乖離率で加算するかどうかを決めることを考えた場合、個々の製品ごとにいくら乖離するのかを議論させていただきたい、価格の交渉をさせていただきたいということは、それなりに理解できる部分がある」

 西澤委員は首を横に振りながら、「新薬加算を認めたとき、今まで納入されていた価格を上げるということは我々は想定していなかった。もし、想定していたらもっと議論になった」と語気を強め、新薬加算が値上げにつながらないよう業界への指導を求めた。

 遠藤会長は「特定の医薬品だけ乖離率を少なくしたいために値引きをしないという行動が取られているみたいな話は聞くが、そういうことを意図してつくった制度ではない。誤解がないように、事務局にもお願いしたい」と収めた。

 
 
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【目次】
 P1 → 薬価専門部会① ─ 次期薬価制度改革に向けた検討事項等
 P2 → 薬価専門部会② ─ 製薬業界における「2010年問題」
 P3 → 総会① ─ 未承認薬・適応外薬等
 P4 → 総会② ─ 高度医療の報告等
 P5 → 総会③ ─ 次期改定に向けた支払側の意見等

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