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"とりあえず"医療でなく、個人に合わせた医療提供へ-オーダーメイド医療シンポ

■遺伝子検査でワルファリン投与量が決められる

 中村氏は、あらかじめ遺伝子検査をしておくことにより、抗血液凝固薬ワルファリンの投与量を決められるという例を説明した。ワルファリンは、血液凝固にかかわるビタミンKに作用して血液が固まり過ぎないように働くため、血栓が脳の血管に詰まって脳梗塞が起こるのを防ぐことにも役立つ。ただ、1ミリグラムの服用で十分な人もいれば、10ミリグラムで初めて効果を表す人もいるなど投与量にかなりの差がある上、効き過ぎると出血などの副作用を起こし、効いていない間は脳梗塞になるリスクを抱えたままの状態となるため、投与量を決めるのが難しい。


 中村氏は、個人の遺伝子のタイプや身長・体重、人種などの要素を入れた一定の計算式に基づいて、ワーファリンの投与量を決定できることを説明。米国の試算例を紹介し、「8万5000ケースの出血の副作用を防ぐことができ、1万7000ケースの脳梗塞が回避できる。遺伝子検査のコストを100ドルと仮定して、米国だけで1年間に1100ミリオンドルの医療費の削減につながる」と述べた。

 また、HIV感染症のAIDSの治療薬として使われるネヴィラピンの副作用についても解説した。ネヴィラピンを服用する患者の約20%に重篤な薬疹の副作用が発生するとされているが、白血球の型を決める因子「HLA」にかかわる遺伝子で「HLA-B3505」というタイプを持っている人では約99%の確率で薬疹が発生することも説明した。

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