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「インセンティブを大きな病院に」

■「1以外は難しい」―池上委員
新たな機能評価係数の候補(A項目).jpg DPC(入院費の包括払い)は、医療費の抑制や医療の標準化などを目的に、高度な医療を提供する「特定機能病院」を中心に2003年度からスタートしたが、現在では中小規模の病院も多く参入しているため、一定の基準で"差別化"を図る方向での検討が進んでいる。
 その差別化のための手段として、病院の持つ機能や役割の一部を「新たな機能評価係数」として評価する方針が既に決まっており、現在、係数の候補を絞り込む作業が進んでいる。

 委員の中には、急性期医療を評価する「DPC制度」が高度な機能を持つ特定機能病院からスタートしたことを重視し、「新たな機能評価係数」として認める範囲を狭くとらえる立場と、中小規模の病院まで広く普及したことを考慮して広めに考える立場がある。

 厚労省は同日の分科会で、これまでの議論で挙がった「新たな機能評価係数」の候補として優先度の高い「A項目」と、優先度の低い「B項目」に分類して提示。優先度の低い「B項目」には、DPCを導入している病院に限らず、急性期医療を提供している病院にも広く当てはまる「地域連携」「高度な設備」などが入っている。一方、優先度の高い「A項目」には、DPCを導入している病院になじみやすい候補が挙げられている。

4月10日のDPC評価分科会1.jpg A項目は、既存のDPCデータを係数化する際の事務的な負担などを考慮して、(1)分析が可能(2)一部分析が可能(3)既存の制度との整合性が必要―の3段階に分類されているが、池上直己委員(慶應義塾大医学部医療政策・管理学教授)は、「1以外は(採用が)難しい」と述べ、(2)と(3)を候補から外すよう主張した。

 これに対し、佐藤博委員(新潟大教授、医歯学総合病院薬剤部長)は、(1)と(2)両方に分類されている医師や看護師、薬剤師らの「チーム医療」を評価することを改めて主張。嶋森好子委員(慶應義塾大看護医療学部教授)も、認定看護師や専門看護師など経験やスキルのある看護師の配置などを評価することを求めた。

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