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「地域医療がドミノ倒し的に崩壊」 ─ 中医協公聴会で窮状を訴え


■ 「診療所の再診料を下げて統一することに反対」 ─ 県医師会理事
 

 福島県医師会理事の常磐でございます。いわき市で泌尿器科の病院を運営しております。本日は、重点事項として2点ほどございますのでよろしくお願い申し上げます。

 平成22年4月の診療報酬改定は、医科本体でプラス1.74%、入院がプラス3.03%、外来がプラス0.31%と聞いております。民主党の公約は、総医療費対GNP比をOECD加盟国平均まで引き上げることでありました。
 疲弊する医療現場は、医療費増加を掲げた新政権に大きな期待を寄せました。しかしながら、今回の改定は小幅でありまして、医療現場を失望させております。

 さて、医療は切れ目のない提供が必要でございまして、病院だけでなく診療所の経営とも関係しておりまして、共に建て直さなければ地域医療の再生はありません。

 中医協の「平成22年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)」は、限られた改定財源を有効に活用することは評価しますが、地域医療を担う医療機関に将来の希望を与えるような改定にしていただきたく、若い勤務医が開業して地域医療に従事することをためらうような内容であってはならないということでございます。
 
 この点を特に強調して、中医協の皆様方には審議をお願いしたいと思います。

1. 再診料について
 今回の骨子で特に申し上げたいのは、再診料についてでございます。再診料について、「病院と診療所の再診料を統一する方向で、その具体的な内容を検討する」とありますが、その考え方には賛成でございます。しかし、具体的内容としての検討では、診療所の再診料を下げて統一することには反対であります。

 診療所の再診料710円は、医療の、医師の技術料のほか、看護職員、コメディカルの人件費、退職引当金、減価償却費、水道・光熱費、事務経費などの運営費等々を含めて点数を評価してきた経緯がございます。
 技術料の評価も含めてわずか710円でありまして、評価が低過ぎます。誰が見ても、再診料の引き下げは医療経営基盤に大きなダメージを与え、診療所の経営が脅かされ、地域医療の復興が難しく、地域医療の崩壊につながる恐れがあります。

 また、急性期医療の後方支援を担っております診療所、特に在宅医療を担っている有床診療所におきましては、入院医療の赤字分を外来診療でカバーしている現状も見られます。地域における急性期医療の後方支援が適切に対応できず、さらなる有床診療所の減少に拍車をかけることにもなりかねません。

 従いまして、診療所の再診料を下げて病院と同点数に統一することには反対であります。再診料の統一につきましては、病院および診療所の再診料を引き上げながら、病院の再診料と診療所の再診料を統一すべきであります。
 なお、財源的に無理があるのであれば、今回一気に統一するのではなく、数次の診療報酬改定によりまして、段階的に病院の再診料を引き上げて統一すべきであると考えております。

2. 外来管理加算について
 次に、外来管理加算についてでございますが、外来管理加算の5分要件は医療現場の実態にそぐわないので、骨子の「時間の目安は廃止」するということは賛成であります。

 外来管理加算の時間要件は、患者さんの診察の満足度とは関係しておりません。5分要件の導入により、患者さんの待ち時間が長くなり、時間の計測が医師の診療上の妨げになったりしております。
 今回の改定では5分要件を廃止し、その上で次回改定に向けて、外来管理加算は内科系の無形の技術に対する診療項目であり、創設の経緯を踏まえ、時間を掛けて外来管理加算の在り方について議論すべきであります。

 また、外来管理加算の診療項目そのものを廃止することには絶対に反対であります。以上、ご高配のほど、よろしくお願い申し上げます。

【目次】
 P2 → 県医師会理事 ─ 「診療所の再診料を下げて統一することに反対」
 P3 → 歯科開業医 ─ 「初診料・再診料の大幅な引き上げを」
 P4 → 病院薬剤師 ─ 「24年度改定で薬剤師の病棟配置に評価を」
 P5 → 訪問看護師 ─ 「日ごろから制度にとても矛盾を感じている」
 P6 → 公立病院長 ─ 「地域医療がドミノ倒し的に崩壊」
 P7 → 開業医団体 ─ 「再診料引き下げは医療サービスの礎を崩壊」
 P8 → 健保組合 ─ 「診療報酬の引き上げを行う環境にはない」
 P9 → 連合福島 ─ 「医療過疎が極めて深刻な事態」
 P10 → 透析患者 ─ 「先進国たる日本で医療の状況は異常」

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