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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼18 古川勝久・安全保障/危機管理専門家(中)


古川
「先ほど、『官が後追いになるのは健全な姿だ』というお話がありました。たしかにそういう側面もありますが、私はそれでも次の災害対策に向けて、官民協力の体制は改良する必要があると思っています。被災地に入った医療従事者の方々が発信する情報には、単に医療ニーズの情報だけではなく、食料とか燃料とか様々なニーズの情報がありました」

村重
「被災地がどういう状況にあるのか、リアルに分かるものでしたね」

古川
「あのような情報は、自衛隊を初め、被災地支援をする方々にとっても非常に重要な情報なのです。事実、そういう情報の共有は感謝されていました。そのうちどの情報を自衛隊のオペレーションに実際に反映させたのか、私たちは知りうる立場にはいません。が、少なくともそのように活用するという目的を持って、情報は収集されてきたのです。問題なのは、薬も含めて、民間の搬送能力には限界があることです。なぜ私が軍のことを申し上げるかというと、ヘリコプター等の大規模なロジスティック能力を有しているのは自衛隊や米軍です。今回は残念ながら、大震災発生後、ヘリコプターによる物資投下を可能とする規制緩和の実現まで、10日ほどかかっていたように記憶しています。次の災害発生時には、直ちにできるようになると思います。米軍も、いつでもヘリで飛んで物資投下できるように待機していたそうです。ただ、なかなか日本からの要請が来なかったようです。望むらくは、次回、医療従事者の方々が被災地入りして、状況報告を寄せた場合、それを受けて、軍が迅速に出動して救難物資や薬等を被災地に投下できればといと考えます。米軍には、物資投下用の包装もあります。
あともう一点。これまで、災害対策訓練や国民保護訓練では、自治体、国、警察、自衛隊、消防が主体となって行われてきました。地域によっては、赤十字やDMATも参加する事例が増えてきました。ただし、今回の震災対応では、DMATというよりも、内科系や多くの科にまたがる医療従事者の方々が重要な役割を果たされてます。これらの方々がこういう訓練にご参加された事例は数少ないと思います。今後、少なくとも何らかの形で、危機対応関係機関とこれら内科関係者との間で、平時からインターフェイスを作っていただき、お互いに知っていただくということは重要だと思いました。少なくともそれで誰かが損をすることはないと思うんです」

村重
「もちろん知っていただきたいのはヤマヤマなんですけれども、普段の医師不足の、ただでさえいっぱいいっぱいという状況を考えると、なかなか難しいですよねえ。この震災がひとつのきっかけにはなると思いますが」

古川
「訓練への参加が難しいというのは、私もよく分かるんですね・・・」

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