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ニュース〜医療の今がわかる

 常務理事(当時)のパワハラやセクハラを理事長に文書で報告したところ解雇されたとして、骨髄移植推進財団(骨髄バンク)の元総務部長が地位確認などを求めていた民事訴訟の判決が12日、東京地裁で言い渡された。白石哲裁判官は、「文書の内容は基本的に事実」と元総務部長の訴えをほぼ全面的に認め、財団に対して解雇の無効とその間の賃金に加えて慰謝料50万円の支払いを命じた。(川口恭)

安田委員長(中).jpg
 国立大学医学部長会議常置委員会(安田和則委員長)は6月12日、国立大学が抱える国からの借入金約1兆35億円の解消などを求める要望書を、本日付で麻生太郎首相など関係閣僚に送付すると発表した。財政制度等審議会(財政審)がまとめた来年度予算編成への建議を受けたもの。安田委員長は都内で開いた記者会見で、「この足かせがなくなれば、国民への医療に貢献できる」と述べた。(熊田梨恵)
 

小川会長(右)嘉山委員長.jpg
 医学部や医科大学のトップなどで構成する全国医学部長病院長会議(小川彰会長)は6月11日、財政制度等審議会(財政審)がまとめた、医師の計画配置などを求める2010年度予算編成に向けた建議を批判する提言を発表した。国の規制によって医師を配置するのではなく、医局の派遣機能など大学の調整力を回復させるべきと主張している。(熊田梨恵)

業界ヒアリング(質疑)top.jpg 日本製薬団体連合会(日薬連)が提案している「薬価維持特例」を柱とする薬価制度改革案について関係業界から意見を聴いた6月3日の中医協・薬価専門部会(部会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の模様を質疑応答からお伝えする。(新井裕充)

kaziwarahosoda.JPG 自民党の細田博之幹事長は10日、「小泉政権で三方一両損みたいなことをやって医療費を抑制しようとしたけど、残念ながらうまくいかなかった。日本では医療費が増えても仕方ない。逆に税負担でしっかりやらざるを得ない」と述べた。全国知事会会長を務めたこともある梶原拓・元岐阜県知事が「マニフェストに医療改革を盛り込んでほしい」と党本部を訪れて要請したのに対して答えた。(川口恭)

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 2010年度診療報酬改定を前に、夏頃までには分科会として慢性期包括医療に関する報告を上部委員会に上げなければいけないにもかかわらず、5月末になってからようやく再開された中央社会保険医療協議会(中医協)の「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」(分科会長=池上直巳・慶大医学部教授)。議論を詰めねばならない重要課題の「医療の質の評価」を討議しようにも、「2008年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査」はまだ集計されておらず、5月末になってからようやく「キックオフ」となったこの分科会の再開に、委員からは一気に不満が噴出したかに見えた。"事後承諾"されるはずだったこの調査の実施にまで注文がつき、事務局は思わぬ部分で噛みつかれた形となった。(熊田梨恵)

 「薬剤師の病棟業務は、医療の質にとって非常に重要なファクター」「(病棟薬剤師を評価しないと)病院のチーム医療は進まない」―。病院の機能によって診療報酬に差を付ける「新たな機能評価係数」について審議している中医協の分科会で、病棟薬剤師の配置を評価することに賛同する意見が相次いだ。(新井裕充)

6月8日DPC評価分科会1.jpg 2010年度の診療報酬改定に向け、DPCの在り方について検討している中医協・DPC評価分科会(分科会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)が6月8日に開かれ、「新たな機能評価係数」について審議を進めた。最大の焦点だった「現在の調整係数と新たな機能評価係数との相関関係」については、医業収支に与える影響を考慮せずに両者を切り離した形で選定作業を進める方針で合意した。(新井裕充)

 新型インフルエンザに関して、政府の専門家諮問委員会委員長を務める尾身茂・自治医大教授は8日の都道府県知事会文教常任委員会で、ウイルス対策は長期戦になるとの見通しを示したうえで、「今後は、糖尿病や喘息などの基礎疾患を持つ人や妊婦などが重症化して死亡するのを避けるという一点に集中すべき」と述べた。尾身氏の主な発言をご紹介する。(川口恭)

命の薬 お金次第

自分や家族が命に関わる病気にかかったとき、飲み続ければ命が助かる特効薬を「飲まない」という人はまずいないだろう。ただしそれは同時に、「その薬を"一生"飲み続けなければならず、やめれば命の保証はない」という道を選ぶことでもある。この薬が高価で、手が届かないというほどの額ではないけれども、その経済負担が毎月じわじわと自分やその家族を追い詰めていくとしたら――。

実際にそんな薬がある。慢性骨髄性白血病(CML)の治療薬「グリベック」(一般名:メシル酸イマチニブ)だ。その治療費負担の大きさに、自ら立ち上がった人たちがいる。「CMLの会」代表・野村英昭氏にインタビューした。(堀米香奈子)

アイラウルフ・PhRMA日本代表(右).jpg 2010年度の薬価制度改革に向け、6月3日の中医協・薬価専門部会(部会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)で、日本製薬団体連合会(日薬連)、ファルマ(PhRMA、米国研究製薬工業協会)、エフピア(EFPIA、欧州製薬団体連合会)、卸連(日本医薬品卸業連合会)の4団体が意見を述べた。ファルマの意見陳述からお伝えする。(新井裕充)

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 全国医師連盟(黒川衛代表)は6月7日、財政制度等審議会(財政審)がまとめた医師の計画配置などを提言する2010年度予算編成に向けた建議について、医療費抑制を前提としたものと指摘した上で、「財政審が提言すべきだったのは、医療・介護・福祉などの社会保障費の増額」と主張する見解を発表した。(熊田梨恵)
 
 

 新型インフルエンザについて話し合う都道府県知事会の社会文教常任委員会が8日開かれ、厚生労働省に対して「机上の空論ばかり作るな」(大澤正明・群馬県知事)など批判する声と、対処方針の速やかな修正を求める意見とが相次いだ。厚生労働省から出席した麦谷眞里・新型インフルエンザ対策推進本部事務局長は「机の上で作っても、現実にはできないことがあるということが、恥ずかしながらやってみて色々と分かってきた。H5型の練習を随分できた。不幸中の幸いかなという認識だ」と釈明した。(川口恭)

 厚生労働省で新型インフルエンザ対策にあたっている麦谷眞里・新型インフルエンザ対策推進本部事務局長は8日、「(横浜市の高校生の事例など感染していないにも関わらず厚労省が発表を行った事例について)PCR検査で感染確定する前に公表したのは、検査に数時間かかる。それ迄、黙っていることが、世の中に対してマスメディアに対して、できない状況だった」と述べた。メディアの圧力が人権侵害を生んだと見ることも、また厚労省が自らの行いを棚に上げてメディアに責任転嫁したと見ることも、できそうだ。(川口恭)

植山代表(左).jpg
 全国医師連盟(全医連、黒川衛代表)は6月8日、都内で集会を開き、勤務医の労働組合の「全国医師ユニオン」を設立したと発表した。医師が個人で加入する全国規模の労組は初めてになる。代表に就任した植山直人氏(老人保健施設みぬま嘱託内科医)は、「医療人が団結するのが今ほど重要な時はない。全国医師ユニオンに入っていただき、日本の医療のためにともに戦っていただきたい」と呼びかけた。(熊田梨恵)

長谷川閑史・武田薬品社長(右).jpg 革新的新薬の創出か、後発品の使用促進か―。大型医薬品の特許切れが相次ぐ「2010年問題」を抱える先発品企業が命運を託すのは、研究・開発に投下した資本を早期に回収する仕組み(薬価維持特例)の導入だが、道のりは険しい。関係業界からヒアリングを行った6月3日の中医協・薬価専門部会(部会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の模様を3回に分けてお伝えする。(新井裕充)

薬害肝炎の検証と薬害再発防止のための提言とを行うことになっている薬害肝炎検討会が2年目に入った。検討の主題は、1年目に決着のつかなかった行政組織のあり方へと移ったが、不思議なことに「薬害を起こさないために何が必要か」ではなく、「薬害が起きた時に誰が責任を取るのか」が主に議論されている。(川口恭)

センター外観.JPG
 麻酔科医不足が深刻となっていた国立がんセンター中央病院(東京都中央区、土屋了介院長)では昨年10月に新しく麻酔部門の責任者が就任して以来、手術件数は順調に回復の一途をたどっている。しかし、現状は非常勤の麻酔科医に頼るところが大きいため、国の予算で動くナショナルセンターとして避けようのない問題に直面している。(熊田梨恵)

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