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ニュース〜医療の今がわかる

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藤原康弘氏(国立がんセンター中央病院臨床試験・治療開発部長)

「国立がんセンターとして、再発がん患者さんへのケアをどう考えていくかが問われている時。ナショナルセンターだからこそできる緩和ケアの研究や未承認薬の臨床研究、そして最後まで患者さんをみられるホスピスがあれば」-。がんセンターというと手術など外科領域に目が行きがちになるが、年々がん患者が増加する中、化学療法など内科的治療に頼る患者が増えていくのは間違いないだろう。内科の立場からがん患者を診ている国立がんセンター中央病院の藤原康弘臨床試験・治療開発部長に話を聞いた。(熊田梨恵)

 国内で実施される治験や臨床研究の質を上げるため、治験中核病院と拠点医療機関の整備や人材育成などの内容を盛り込んだ「新たな治験活性化5カ年計画」がスタートして3年目を迎えたことから、厚生労働省は6月30日、計画の中間見直しを実施するための有識者会議を開催した。10月末までに現在の計画に数値目標を盛り込み、必要に応じてアクションプランを設計し直す。(熊田梨恵)

6月29日のDPC評価分科会.jpg 入院期間が長くなるにつれて診療報酬が引き下げられるDPC(入院費の定額払い制)について、厚生労働省は2010年4月から入院初期の点数を引き上げる方針を中医協の分科会に提案し、大筋で了承された。一定期間が経過した後は現在よりも引き下げ、入院期間の短縮化をさらに進める方針。(新井裕充)

救急検討会.jpg 都道府県が策定する救急受け入れルールの指針(ガイドライン)をつくるため、総務省消防庁と厚生労働省は6月29日、「傷病者の搬送及び受け入れの実施基準等に関する検討会」の初会合を開催した。都道府県に搬送ルールの策定を義務付けた改正消防法の成立を受けたもので、10月末にはガイドラインを都道府県に通知する。(熊田梨恵)

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宮下徹也氏(国立がんセンター中央病院第二領域外来部長、手術・緩和医療部グループ責任者、写真左)
後藤隆久氏(横浜市立大大学院医学研究科生体制御・麻酔科学教授、右)

 
 「国立がんセンターは他がやっていることを追随するのではなく、新しいことに挑戦していくべき組織」(宮下氏)「現場から実績を示していくことができれば、日本の医療が変わる」(後藤氏)-。昨年秋、麻酔科医不足に悩まされた国立がんセンター中央病院は手術部門の再建に舵を切った。その立役者となった宮下徹也部長と、彼の出身大学の教授としてサポートを続ける後藤隆久・横浜市大教授の話を聞いた。(熊田梨恵)

 日本医師会の内田健夫常任理事は6月27日、厚生労働省の2010年度予算概算要求に対する日医の要望について、小児医療分野の一部を明らかにした。当直医や救急担当医、へき地で働く医師に対する人件費補助のほか、小児救急医療の充実、小児デイケア・ショートステイ施設の整備などを求めるとした。(熊田梨恵)

厚生労働省0624.jpg 検査や投薬などをやればやるほど儲かる「出来高払い」に対し、必要な診療をカットすればするほど儲かる「包括(定額)払い」がある。診療所は出来高払い、病院の入院医療は包括払いが中心。診療所と病院、「どちらが儲かるか」ということが問題になっている。(新井裕充)

07年12月10日東京・日比谷公園.jpg 入院ベッドが400床以上ある病院では、患者から請求されたら「明細書」を発行しなければならない。検査や投薬など個別の診療単価がレセプト並みに詳しく分かる「明細書」は、医療の透明性や標準化を図る観点から多くの役割が期待されている。その中でも、中医協の遠藤久夫会長は「入院医療の中身が分かる」という役割に強い関心を示している。(新井裕充)

 舛添要一厚生労働相が6月26日午前に発表した異例の人事異動に、省内には衝撃が走った。ある医系技官は「補助金によって医療機関を支配する医政局の医系技官を引き剥がした。良くなることはあっても悪くなることはないだろう」と感想を話した。(熊田梨恵)

 舛添要一厚生労働大臣は26日の閣議後記者会見で、幹部人事についての骨格方針を発表した。事務次官と社会保険庁長官の2人が退任するほか、医系技官の指定ポストだった医政局長に事務官である阿曽沼慎司・社会・援護局長が就くなど大規模なものになる。「技官の聖域をなくして風通しをよくする」という。(川口恭)

 「今回の"麻酔科再建"は、国立がんセンターにとっても、麻酔科医にとってもラストチャンスだった」-。麻酔科医不足に悩まされた国立がんセンター中央病院(土屋了介院長)の"麻酔科再建"を側面からサポートした後藤隆久氏(横浜市立大大学院医学研究科生体制御・麻酔科学教授)が、医局を上げて国立がんセンターの立て直しに取り組んだとして同大の本多常高理事長から理事長表彰を受けた。(熊田梨恵)

 厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=大森彌・東大名誉教授)は6月24日に今年度の初会合を開催し、2009年度介護報酬改定の影響を調べる介護職員の処遇状況調査を10月に実施することを了承した。委員からの要望を受け、居宅介護支援事業所も対象にする方向で進めるとした。(熊田梨恵)

長谷川学課長補佐0619.jpg 中小病院が地域で果たす役割を診療報酬でどのように評価すべきか─。中医協の分科会では、「救急医療」と「医療計画の実施」が候補に残っているが、具体的な基準はまだ明らかにされない。2010年度の診療報酬改定では、救急医療が重点的に評価される見通しだが、「地域医療への貢献」という"隠れ蓑"に身を包んだ計画が静かに進行している。(新井裕充)

 厚生労働省が今年度から始めた、産科医などに分娩手当を支給する医療機関への補助金事業について、医療現場や自治体から「頑張っている産科施設に補助金が渡らず、勤務医の待遇改善につながらない」との声が上がっている。3月半ばになってから急きょ、「正常分娩の費用が50万円未満」などの条件がついたためで、厚労省からの情報伝達の不備を指摘する関係者もいる。(熊田梨恵)

6月19日のDPC評価分科会L.jpg 「地域におけるシェアというとき、『2次医療圏人口』を分母にすることによって、人口に対してどのぐらいの割合で貢献しているかを見ることができる」─。さまざまな機能を持つDPC病院が乱立する中、厚生労働省は「2次医療圏人口」という評価指標を導入して医療資源の集約化と地域連携を進める方向だが、果たして計画通りうまく運ぶだろうか。(新井裕充)

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