東日本大震災関連の『ロハス・メディカル』5月号記事。今度は各版共通に掲載するものです。零細メディアゆえ機動力に欠けるという点は忸怩たるものがありますが、その分、少し俯瞰して理解する助けにはなると思います。実は、意外と分かってなかったことが多いのではないでしょうか。
(ここから)
東日本大震災によって引き起こされた福島第一原発の事故は、にわかに放射線への恐怖を高めました。マスメディアによる報道も、派手に大量に流れた割にはよく分からないものが多くて、無用のパニックを呼びました。そもそも、放射線は医療の世界で有効に使われているものでもあります。原発のことはさておき、医学的な基礎知識を整理してみましょう。
監修/西尾正道 北海道がんセンター院長
『ロハス・メディカル』でも、5月号で東日本大震災関連の記事をいくつか掲載することにしております。雑誌の発行前ながら前倒しで掲載できるものは、どんどん掲載していきますので、ご活用いただけましたら幸いです。まずは、関西版『それゆけ!メディカル』限定コンテンツ、『梅村聡の目』です。
この度の震災でお亡くなりになった方のご冥福をお祈りすると共に、被災された皆様へ心よりお見舞いを申し上げます。
何とも間の悪いことながら、今月、関西版『それゆけ!メディカル』(写真左)、癌研版(写真右)、仙台版(日本シナジーマネジメント発行)、徳島版(隔月)の4地域版を同時に創刊いたしました。
仙台版は創刊を延期しようかとも思ったのですが、被災者でもある日本シナジーマネジメント・谷津聡社長の「地震に負けていられない」という言葉に後押しされ、10日遅れでようやく仙台へお届けしたところです。
どの版も、主な記事は、『ロハス・メディカル』本誌と共用で、それぞれ独自のコンテンツがいくつか入っております。地道にコツコツ続けて参る所存ですので、末長くご愛読のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
ロハス・メディカル発行人 川口恭
国立がん研究センターの嘉山孝正理事長ら幹部職員は28日に記者会見を開き、福島第一原発から飛散している放射性物質によって、どの程度の発がんリスクが発生していると考えられるか見解を発表した。「原子炉において作業を行っている方々を除けば、ほとんど問題がないといえる」という。(川口恭)
3月11日の東日本大震災では、医療機関も被災したために透析難民が大量に発生、被災地以外での代替が必要になっている。対応するため、日本透析医会(山﨑親雄会長)で全国の会員施設に呼び掛けを行ったところ、被災3県の全患者数を上回る約1万8000人の受け入れが可能になった(24日現在)。特に、電力事情に問題のない近畿以西で、約1万人を受け入れられるという。同会で災害医療を担当する山川智之常務理事(大阪・白鷺病院理事長)に話を聴いた。(熊田梨恵)
ロハス・メディカル関西版「それゆけ!メディカル」の創刊に向け、実家のある兵庫県北部の豊岡市に引っ越してまいりました。豊岡市は人口約9万人、高齢化率27%(2011年2月現在)という少子高齢化の進む農村地域ではありますが、患者のための医療を目指して国内からも注目を集める活動を行っていることを知り、私自身も驚いています。豊岡の医療について、随時お届けしていきたいと思います。(熊田梨恵)
公立豊岡病院日高医療センターの豊岡アイセンター(倉員敏明センター長、23床)で3月21日、視覚障害のある患者同士の交流や情報交換のための院内サロン「すまいる会」が開かれ、地域の患者や家族、医療関係者ら約70人が参加した。視覚障害者のための院内サロン活動は国内でもめずらしく、よりよく見えるように支援するロービジョンケアや福祉制度についても学んだ。会の運営を担った一人の矢坂幸枝医師は「今までは患者さんに何もできなかった時に罪悪感がありましたけど、患者さんにロービジョンケアを紹介することで安心してもらえるので、私たちも自信を持って患者さんと話せます。この会やロービジョンケアがあると医療者も安心して患者に接することができるので、医療者も救われるのです」と話した。
元厚生労働省大臣政策官の村重直子氏が在野でキラリと光る人たちと対談していく好評のシリーズ、今年も続きます。2011年のトップバッターは昨年も一度ご登場いただいた小田知宏氏。ビジネスの経験を生かして障害者福祉の世界に新風を吹き込もうとしています。昨年12月9日にNPO法人「発達わんぱく会」を設立、発達障害の子どもたちを対象とした療育教室を展開していくことになっています。(川口恭)