「医師不足は医学教育の問題か」―文科省のたたき台に不満の声
平野委員からの批判に対し、荒川座長が「先生、そうすると、また『オロジー』(薬理学や生理学などの学科)ばかりこだわってということに...」などと反論した。
福田康一郎・副座長(社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構副理事長)も加勢し、「前倒しと言うが、(卒前)臨床実習と(卒後)臨床研修の中身がダブっていたら、前倒しするのは当然だ。国家試験で基礎系の問題がまだ出ているから、これは共用試験でクリアすべきだし、1つでも無駄をなくしていって、良い医師になってもらいたい。私どもはそう理解している」と抑え込んだ。
ここで水田祥代委員(九州大学副学長)が割って入り、「医師が不足しているからなんとかしなさいと書いてあるが、これがなんで医学教育の問題になってるのか?」と不満を表した。
「これ、書いたらおかしいんじゃないか。『地域の医師不足』とか、『養成・確保する方策を講じる』とか、それが医学教育の問題になるのか。こういう書き方は違うと思う」
荒川座長は「今回の(研修制度見直しに関する文科・厚労両省の)提言を受けた検討会なので、提言を無視できない」と返し、福田副座長は「小児科や産科などの領域は医師がいなくなって困っているのだから、小児科や産科の教育はきっちりやるべきだというとらえ方でよろしいのではないか」と同調した。
しかし、水田委員は「足りない(診療)科は困るからという意味だろうか。『地域の』と書いてある。私には分からない」と引かなかった。荒川座長は「ですから、緊急性の問題を踏まえながら、おっしゃるようなことを、どう...。基本的には、そんなに違いはない」と、その場を納めた。
結核は過去の病気か
まったく無知というか、憤りを感じます。
結核は今なお非常に恐ろしい感染症で、何とか拡散を防いでいるにすぎないことを理解しないと全ての感染症治療はとんでもない方向に行くでしょう。結核治療では早期発見も、治療方針の決定も、患者と家族への指導も、一般医療の中では全くめちゃめちゃになっていることを認識していません。
また、卒前教育・国家試験・卒後教育の重なりを無駄ととらえるようでは教育そのものを理解していないのでしょう。教育とは繰り返しがもっとも重要で、これを無駄というのなら教育なんて成立しません。
ふじたん先生
コメントありがとうございます。
私自身も結核は過去の病気なのかなと誤解しておりましたので、大変勉強になりました。
ところで大学での教育ですが、今後はコミュニケーションスキルを重視する方向なのでしょうか?
この点、ブログにも書きましたので、ご覧いただけると幸いです。
https://lohasmedical.jp/blog/2009/04/post_1687.php#more
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
医学生のコミュニケーションスキル教育では、徳島大学で実施されている保育所実習に興味をもっています。下記をご参照ください。
http://healthbio.basic.med.tokushima-u.ac.jp/tougou/GP/Newsletter2.PDF
実習前、学生のコミュニケーション自己評価が高かったのが、実習後に下がる(実習によって目標が高く設定し直される?)というのが興味深いです。