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「保険診療は既に破綻している」~医療構想千葉 亀田信介氏


kameda9.JPG 公的病院の医療は保険診療と言えるのか。

 公的病院には診療報酬以外に他会計から多額の繰り入れが行われている。診療報酬が下がれば、繰り入れを増やすという処理で対応してきた。その結果、財政基盤の弱い自治体が開設している病院の多くが財政の危機に直面している。補填できない自治体は、自身が倒産するか、病院を閉鎖するしかない。これがまさに銚子で起きたこと。病院を閉鎖しないと夕張になってしまう。

kameda10.JPG 亀田には415人の常勤医がいる。日本の中では病床数に対して非常に多い。しかし看護は10対1しか取れていない。7対1にしたくても、看護師を自治体病院と取り合いになって、自治体病院の方が給料が高いので負けてしまう。自治体病院並みの給料にしたら一瞬のうちに亀田も破綻してしまう。

 こちらは診療報酬だけでやっていて、公的病院には他会計からの繰り入れがある。その公的病院の方が給料が高いというのは、まさに民業圧迫だ。繰り入れの原資は税だが、これは出所が誰だか分からないようにマネーロンダリングしたうえで、そのお金を使って診療報酬以上の医療を提供しているわけだから、混合診療と一体何が違うのか。このこと一つとっても既に保険診療は破綻していると言える。

kameda11.JPG 本来、公的病院の給料の額というのは働きに対して社会的に妥当と考えられる相場なわけだから、民間病院の多くが給料が安すぎるとも言える。民間病院の多くは、医師の過重労働や病院職員の低賃金などの犠牲の上にかろうじて成り立っているのである。

 公的病院並みの給与にしても民間病院がやっていけるだけの診療報酬体系であるべきというのが筋論だが、現実問題として保険にそれだけの余裕がない以上、公的病院の人件費の無駄も何とかした方がいい。自治体病院では、看護師よりも准看護師の方が平均給与が高く、さらに事務職員の方が高いという逆転現象が起きている。ここにメスを入れない限り、どうにも身動きが取れない。

 旭中央は、こうした公的病院のくびきから脱しようと社会医療法人になろうとトライしたが議会に阻まれた。このトライは正しかったと思う。旭中央は、まだ退職金を払えるだけの体力がある。しかし多くの自治体病院は退職金を払うことができず、病院を整理しようにもできない。

(以下省略)
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