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「中医協改革」に抵抗? 改定の主戦場を移すか

9月30日の中医協.jpg 診療報酬の決定プロセスを見直す「中医協改革」が叫ばれる中、厚生労働省と支払側、診療側、公益委員らが「診療報酬だけでは無理だ」という大合唱を繰り広げて団結した。改定の主戦場を厚労省の「社会保障審議会」に移し、中医協をその「下部組織」に位置付けて骨抜きにするというシナリオが見える。(新井裕充)

 中央社会保険医療協議会(中医協)委員30人のうち14人が10月1日で任期満了になるため、委員の改選に関係者の注目が集まっている。
 民主党は先の総選挙のマニフェストで「中医協改革」を挙げており、仙谷由人行政刷新相ほか、鈴木寛文部科学副大臣、足立信也厚生労働政務官らも現在の中医協を見直す発言をしている(※)。さらに、長妻昭厚労相が9月28日に日本医師会(日医)の委員を「削減する方針を固めた」との報道もある。

 こうした中、9月30日に中医協(会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の基本問題小委員会が開かれた。いつもなら開会前に委員らが賑やかに談笑するが、この日は違った。厳しい表情が目立ち、重苦しい空気が流れていた。

 同日のテーマは、周産期・救急医療について。保険局医療課の佐藤敏信課長が約40分間にわたって救急医療体制の不備などを資料に基づいて説明。「ルールでできること、補助金でできること、診療報酬でないとできないこと、こういったものをある程度見極めていただいて、診療報酬の議論に役立てていただきたい」と、暗にくぎを刺した。

 これを受け、竹嶋康弘委員(日医副会長)は、「中医協は決められたところ(財源)を分けるだけではなく、一番現場を分かる、いろいろな患者さんを分かる方々が集まって議論する場だと思っている。こういうところで、貴重なデータに基づいてやっていきたい」と述べ、今後も中医協委員として参加していく意欲を示した。
 その上で、「(資料説明の)端々で事務局(保険局医療課)が言った。『診療報酬だけで、こういうもの(救急受け入れ困難の解消など)がいくか』と。診療報酬だけでは私は無理だと思う。やっぱりこれは政策的にやっていかなくてはいけない。これは別の所で考えなければいけない」

 「別の所」とは、社会保障審議会の医療部会と医療保険部会を指すのだろうか。2004年の「中医協汚職事件」を契機に中医協の権限が縮小され、社保審の両部会が決めた基本方針に従うことになっている。
 しかし、社保審の両部会は厚労省の所管。中医協は厚労相の諮問機関。いずれも厚労省が下絵を描く。前回改定では中医協が"改定の主戦場"で、社保審の両部会は関係団体の"ガス抜き会議"だった。今回は、社保審両部会の役割を重視し、中医協を骨抜きにする、つまり"ガス抜き会議"にしてしまう計画だろうか。

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