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「政権交代が医療崩壊の解消に向けた第一歩と期待していた」

■ 「医療崩壊の解消に向けた第一歩を期待した」 ─ 安達委員
 

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 この(再診料)問題は、一般の個人診療所に最も関連の深い部分の裁定を頂いたわけでございますので、その(診療所の)部分を代表して私が2号(診療)側の意見を述べさせていただきます。

 (支払側を代表して)白川委員(健保連常務理事)がおっしゃいました。まず、裁定委員の皆様には、その(提案の)内容ではなくて、お引き受けいただいた労に関して御礼を申し上げます。

 そもそも、しかし、今回の診療報酬改定というのは何であったか。ということを考えますと、政権が交代し、新政権の下での公約等々から見られるように、これこそが医療崩壊の解消に向けた第一歩の診療報酬改定になるということを私どもは期待してまいりましたし、政府におかれても同様の認識であっただろうというふうに思います。

 しかしながら、ふたを開けて見れば、先ほど(中医協の遠藤)会長がおっしゃいましたように、今回、医科の点数につきましては入院(4400億円)、入院外(400億円)ということで、異例の財源枠が財務省主導の中で設定されました。以前に申し上げましたが、これは明らかに中医協の権限の縮小であります。

 その中で、外来の本当にわずかな、割り当てられた中での検討が行われて、一般個人診療所にとっては、その一般の診療にかかわる技術料ほかの引き下げを含み、なおかつ政権公約の通りであれば、(外来管理加算の)5分間要件の撤廃によって外来管理加算の算定回数の復元ということを期待したにもかかわらず、事実上、これも我々としては(再診料の引き下げを阻止するため)放棄せざるを得なかったわけであります。

 それほどの状況がありながら、なお、この再診料については、引き下げという方向での議論がされてきました。この間、我々医療界はこのことには何の利害関係がないはずの病院経営者も、そして勤務医の皆さんもこぞってこの診療所の再診料引き下げに反対をしてまいりました。

 それは、我々医療者が日本における医療提供体制の中で、大学病院から診療所までが一体となってこれを構成していると理解しているからでありまして、このいずれの要因が衰弱をしても、日本の医療提供体制は破綻し、そのことによって医療を必要とする方々に大変大きな不利益を与えることになるということを実感として認識しているからであります。

 今回頂いたこの「69点」という裁定は、再診料の部分だけを言えばまさに財政中立であります。今回もまた、財源論に終始してこのような裁定を頂いた。これまで、個人診療所の再診料、あるいは外来管理加算の算定要件の縮減というようなことは、すべて今回と同様の財源論の中で行われて、個人診療所はその経済的体力を既に大きく劣化させております。

 すべての診療所に影響する、この2点の引き下げがその個人診療所の経営体力を一層弱めることになります。これでは、医療崩壊の解消に向けた第一歩と期待されたこの診療報酬改定が、単なる医療崩壊の診療所への拡大という事態に立ち至るだけではないのかということを私は大変、大きく危惧しております。
 

【目次】
 P2 → 「支払側は公益裁定案を受け入れたい」 ─ 白川委員(支払側)
 P3 → 「医療崩壊の解消に向けた第一歩を期待した」 ─ 安達委員(診療側)
 P4 → 「強い抗議の意思を持って退席させていただく」 ─ 安達委員(診療側)
 P5 → 「少し2号側で協議させていただきたい」 ─ 嘉山委員(診療側)
 P6 → 「ご納得を頂くことを前提で案を出した」 ─ 遠藤会長(公益側)


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