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ニュース〜医療の今がわかる

「政権交代が医療崩壊の解消に向けた第一歩と期待していた」

■ 「ご納得を頂くことを前提で案を出した」 ─ 遠藤会長
 

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 はい、それでは、ただ今より総会を再開いたしたいと思います。しばし休会ということになっておりましたけれども、何か2号(診療)側でご意見等、ございますでしょうか。嘉山委員、どうぞ。

[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
 会長から許可を頂きまして、協議時間......、まずお詫び申し上げます。2号(診療)側というか、我々で協議した結果でございますが......。
 えーっと......、コメントはありません。ただ、これで会が成立したので、粛々と会を進めていただければと思います。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 ありがとうございます。そもそも、公益(委員)の提出する案というものが厳しい制約の中での案ということになるわけですけれども、我々、恐らく、両側にとってそれぞれですね、ご不満はあるだろうということは重々承知の上で......。
 しかもその中でもですね、できるだけその不満の最小化というものが図れないだろうかという、そういう視点の中で考えさせていただいたということであります。

 ただ、休会前に安達委員(京都府医師会副会長)がおっしゃったように、改定率がプラスであるにもかかわらず、マイナスの時にすら行わなかった再診料の引き下げを行うというのは納得がいかないというお考えについて、私個人としては「そういう気持ちも分からないではない」という気持ちもありますが、しかし、このような制約条件の中での苦渋の判断をさせていただいたということになったわけであります。

 ▼ 優先順位を変えて「制約条件」をつくり出したと考えるべきではないか。厚労省によると、診療所の再診料を下げずに71点で統一するには約220億円が必要だが、改定財源が約400億円ある。さらに、検査や処置の見直しで捻出できるのが約400億円。「診療所の再診料を下げない」という判断を優先すれば、「800─220=580億円」という計算になる。つまり、乳幼児加算など新たに評価する点数や外来管理加算の5分要件撤廃による影響をこの580億円の枠内に収めるという解決策もあった。決して、「ない袖は振れない」という状況ではなかった。

 2号(診療)側の方々、もっと......ご不満もおありになるかと思いますけれども、「議事を再開することにご同意を得た」ということに対して、会長として感謝を申し上げたいということを一言、申し上げます。

 それでは、引き続き議論をさせていただきたいと思います。そういうことで、ま......、私どもが出させていただきました公益案につきましては、「このようなものだ」ということで......あります。よろしゅうございますでしょうか?

 それでは、引き続き......、はい、嘉山委員、どうぞ。

[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
 「コメントがない」という意味は、安達先生の意見が我々の総意なんですが、「裁定を受け入れるか受け入れないか」という問題に関してコメントはしないという......、(意味に)近いんですけど、ニュアンスをちょっと理解していただければと思います。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 分かりました。ただ、私どもの理解としては、基本的には、「結果を認める」「認めない」という形で......、ことがあるということを前提で私ども、案を出させていただいたわけではなくて、「基本的にはご納得を頂く」ということを前提で案を出させていただいたということは......。

 もちろん、お分かりになっていることかと思いますけれども、一言、申し上げさせていただきたいと思います。「コメントされない」ということは、私ども了解いたしました。ありがとうございます。

 それでは、続きまして、先ほど外来管理加算の「短冊」の一部が配布されているようですけれども、また個別の「短冊」の議論を継続したいと思いますので、(公益案を踏まえて)必要な資料の配布を事務局(保険局医療課)、お願いしたいと思います。配布終了後にご審議をいただきたいと思います。(以下略)

 ▼ 配布した資料は、▽かかりつけ医に対する評価 ▽明細書発行体制等加算の新設 ▽一般病棟入院基本料等の評価について(抜粋) ▽精神科急性期入院医療に係る評価(抜粋) ▽回復期等における充実したリハビリテーションの評価(抜粋)─で、全5ページ。公益案では、「明細書の発行や休日・夜間において患者の不安に応える体制を整えている診療所の取り組みについては、これまでの中医協における議論を踏まえ一定の評価を行う」としている。「かかりつけ医加算」「明細書発行体制等加算」がこれに関連する。なお、「かかりつけ医加算」はその後の議論で「地域医療貢献加算」に名称変更した。
 
 
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【目次】
 P2 → 「支払側は公益裁定案を受け入れたい」 ─ 白川委員(支払側)
 P3 → 「医療崩壊の解消に向けた第一歩を期待した」 ─ 安達委員(診療側)
 P4 → 「強い抗議の意思を持って退席させていただく」 ─ 安達委員(診療側)
 P5 → 「少し2号側で協議させていただきたい」 ─ 嘉山委員(診療側)
 P6 → 「ご納得を頂くことを前提で案を出した」 ─ 遠藤会長(公益側)

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