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ニュース〜医療の今がわかる

医学生の会勉強会1


土屋
「インセンティブの話をする前に、何が医師冥利に尽きるかということなんだが、これはやはり患者さんの感謝の言葉、治って笑顔になる、治らなくてもお礼を言ってもらえる、この職業から足を洗えなくなるのは、そういう喜びが大きいからだ。要は人間と人間のふれ合いの中に喜びはあって、そういうものが具現化しやすいのは、実は大学の中ではなく、開業してその人の人となり背景事情を全部知って家族のようになったところだ。最近は特に開業したからといって金儲けできるわけじゃない、むしろそういう喜びを求めていく人が多い。中堅や若手の医師が僻地に行きたがらないのは、僻地へ行けるだけの教育をされてないから。自分の実力が心配なのだ。ある診療科しかやったことがないのに、いきなり総合医・家庭医の必要な地方へは行けない。読売新聞もバカを言っちゃいけない。あの私案、大筋ではいい線行っていると思うが、若手の強制配置に関してだけは現場を見ないで言っている。地方へは中堅どころが行かないと意味がない」

群馬大5年女性
「卒前教育を充実してほしい。アメリカではメディカルスクールの後ろ2年はほとんどクリニカルクラークシップとして実習できている。でも日本では6年生は座学中心で、5年生は医師免許がないから見学になっている。そういった卒前での教育の遅れが、卒後教育の遅れにもつながっている。私は、臨床研修の検討会に嘆願書を出している。5年終了時に医師国家試験を受けるチャンスを与えてほしい。免許がないと医療行為ができない。6年生に自動的にとは言わないから、試験を受けて合格した学生には実習を受ける権利を与えてほしい。やる気のある学生にインセンティブを与えてほしい」

土屋
「よく分かった。私は1970年の卒業だが、私が学生時代にしていた議論そのものだ。いかに進歩してないか分かる。系統講義なんかは、学生を信用して、本を読んでおけ試験するからで十分だろう。そうすれば実習の時間は取れる。で、国家資格はなくても関係ない。というのが、医師に何が一番必要かというと、たとえ外科医であっても腕ではなくマネジメントのブレインワークだ。どういう治療を適用してあげるかが大事なんであって、そのディレクター機能が一番必要。その時にベッドサイドで患者さんを診てどう考えるか。ロジックをつくって解答を出す。つまり診察が一番大事だ。診断学だけが別建てであるのは、そういうわけだ。問題は何か、その解決法は何か、抽出すること。そのために必要なテクニックは後で学んでも構わない。たとえば注射できないとしても、それは看護師にやってもらえばいいんだから、診察して方針を出して、それをレジデントにチェックしてもらって一致したらやっていい。ただ、そういったことをするにはマンツーマンに近い体制でないとできない」

東大3年男性
「ラディカルなことを言えば、総合医が各科ローテートする必要があるのをひっくりかえすと、たとえばがん専門医のようにスペシャリストをめざす場合、ローテーションはいらないのでないか」

土屋
「専門が分化すればする程、周辺領域のことを知っておかないと使いものにならない」

帝京1年男性
「先生は、レジデンシーを自明によいものとして、米国の制度がよいという前提で話をしているが、米国は19世紀以来の歴史の中で市中病院優位の流れがある。一方で日本はドイツの医局講座制で発展してきたんであり、ドイツ的な医局制度に中途半端にレジデントを木に竹をつぐ形で入れたから話がおかしくなったんでないか。(後略)」

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