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ニュース〜医療の今がわかる

どうなる医療事故調

 与党が負けた場合、大綱案がそのままということは考えられない。議論がよい方向へ行くかどうかは別にして、再度練り直しになるだろう。しかし与党が勝った場合には、恐らく参院民主党が割れ、民主党の対案も雲散霧消する。総論では誰も反対できない話だけに、大綱案をベースにした設置法が成立する可能性は十分にある。総選挙までの猶予期間をノホホンと過ごしている場合ではない。

 この「誰も反対できない」という話、もう少し細かく言えば、対立の構図が「総論賛成・各論反対」で、いったい何が懸念されているのか門外漢にはなかなか理解しづらいという点、それこそが情の面で予断を許さない理由である。
 いくら業界内で議論が沸騰していようとも、大多数の国民にとっては関心のない難しい話であり、そういうものへの賛否は容易にムードに流されうる。
 たとえ与党が負けて少し議論が戻るにしても、いずれ厚労省は何らかの法案を提出せざるを得ないし、一般国民にとって分かりづらい話であることに変わりもない。最終的には、結局同じところに戻ってきてしまう。やはり猶予期間をノホホンと過ごしている場合ではない。

 今月(注2月)に入ってから、テレビや新聞などで「医療事故調が求められているのに、医療界の一部が反対しているために進まない」と事実と異なるキャンペーン的報道が五月雨的に出始めている。背景には「医療事故被害者」たちの働きかけがあるのだろうが、その訴えが一定程度は社会の共感を呼んでいること、虚報に基づく誤解が社会に広がりかけていることは認識しておいた方がよい。

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