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後期高齢者医療制度という言葉、「違和感はなかった」

■ 「複雑性指数」の何が良くないのか?」 ― 6月29日のDPC分科会
 

[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
 (基本問題小委員会で)指摘されたのは、Ⅰの次期改定での導入が妥当と考えられる項目の「効率化に対する評価」「複雑性指数による評価」「診断群分類のカバー率による評価」は、ネーミングと名前がはっきりしないところがあるので、名称についても検討してはどうかということだった。

 特に質問があったのは、「効率化に対する評価」で、効率化することはDPC病院にとってインセンティブがあるので、二重評価になるのではないかという意見もあった。これに対しては、DPCによって逆に医療費が減少するので医療の中身の効率化という評価をしていただきたいと、こちらは思っているが、そういった指摘もあった。

 24日の基本問題小委員会の議論は以上。何か、事務局(保険局医療課)から(補足説明は)あるだろうか?

[厚労省保険局医療課・長谷川学課長補佐]
 特段、補足事項はないが、Ⅰの項目については基本問題小委員会で今後引き続き検討、Ⅱの項目は引き続き、基本問題小委員会とDPC評価分科会で平行して議論していただく。

 さらに、ネーミングについて、「複雑性指数」「診断群分類のカバー率」は非常に分かりにくいので、分かりやすいものをというご意見だったので、事務局(保険局医療課)でもアイデアを出すが、先生方もご意見をいただきたい。よろしくお願いいたします。

[西岡分科会長]
 何か、ご質問などあるだろうか。

[小山信彌委員(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
 「複雑性指数」の何が良くないのか? どういう感じを与えるのか?

小山信彌委員(右).jpg[西岡分科会長]
 平均在院日数が長くかかるような複雑な患者を受け入れていると説明したのだが、「複雑性」とか「効率化」はどうもしっくりこないようだった。
 もっと良い言葉に変えてはどうかという指摘だった。

 (委員、一様に苦笑い)

[小山委員]
 「効率化」というのは平均在院日数を短くすることで、逆に重症患者になると長くなるから「複雑性」ということ。そんなに理解できない言葉ではない。

 これからどんな言葉に変えるか分からないが、逆に分からなくなる可能性がある。ここ(DPC評価分科会)の認識として、「これでいい」という意見を出してもいいと思うのだが。これは僕の個人的な考えだが。それ(複雑性という言葉)以上に変な言葉にするよりも......。

 (効率化や複雑性は平均在院日数が短いことと長いことの)両方を評価するもので、相反する言葉。もし(複雑性という言葉を)変えるなら、「効率化」も変えなければいけない。(効率化と複雑性)は対の言葉として、僕は理解していたが、どうだろうか?

 ▼ DPCは平均在院日数が短いほど高い診療報酬が得られるが、難しい疾患のある患者を受け入れると平均在院日数が長くなってしまう。そこで、「複雑性指数」という機能評価係数で評価してあげようという趣旨。「複雑性指数」が高いのは、がん専門病院、特定機能病院、200床未満の病院。逆に、平均在院日数が短いと評価が高くなる「効率性指数」は、がん専門病院と400床以上の病院が高い。

[西岡分科会長]
 その通りでございますが......。(他の委員、笑い)

 まぁ、われわれの間ではこの言葉でコンセンサスが得られているのだが、基本問題小委員会ではやはり......。

 それともう1つ、「診断群分類のカバー率」はダイレクトに表現しているので、これと「複雑性指数」との間に、表現の中身の一貫性がないのではないかというご指摘を頂いた。

[小山委員]
 あるんじゃねーのか!? (不満気味。他の委員も苦笑い)

[西岡分科会長]
 と思うが......。何か企画官、ご意見あるだろうか......。

[保険局医療課・宇都宮啓企画官]
 私ですか? きゅ、急に私に振られても......。(委員ら、笑い)

 ▼ 委員の席上は大きな笑い声で盛り上がっているが、傍聴席はしらけている。これまで、あまりにも難解な用語に苦しんできた記者も少なくないと思われるので、そろそろ国民目線に立った審議に切り替えるべきだと思うが、DPCの専門家らは「何が悪いのか」と思っていることだろう。言葉だけ変えればそれで良しと考えるのもまた問題だが。

[保険局医療課・宇都宮啓企画官]
 まあ、(基本問題小委員会で)あの時に出ていたのは、昨年の「後期高齢者医療制度」という言葉も、専門的な人間の間ではそれほど違和感はなかったが、一般に出したときに、とらえ方が全然違うとか、そういうことも含めてもう少しセンシティブになってネーミングを考えるべきという指摘だった。そういう観点から、ご検討いただきたい。

[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 いいとか悪いとかいう話でなく、どういう意味で「複雑性」が理解できないとおっしゃったのか、雰囲気だけお伝えするので、その上でご議論いただきたい。

 基本問題小委員会や中医協全体の先生方と話した感じで言うと、「複雑性」という日本語が持っている響きが、なんとなく合併症を持っているとか、基礎疾患みたいなものを持っているとか、まぁ、分かりやすく言えば、複雑な患者さんを診ているというイメージを持つねぇと。

 しかし、それに対してここで言う「複雑性指数」は、悪い言い方をすれば「面倒な患者さん」という意味ではないんだよねというような......。日本語が本来持つ響きから考えたときに、「平均在院日数が長い」という意味がストレートに伝わってこないという意味だったように思う。しかし、私は、(基本問題小委員会の意見をDPC評価分科会の委員に)お伝えするだけ。このDPC評価分科会の先生方がどのように考えるかはまた別の問題。お伝えはする」

[西岡分科会長]
 ありがとうございます。これはまた、ちょっと時間をかけて、中身をそのまま示すような形でのネーミングを検討しなければならないという宿題なので、よろしくお願いします。(以下略)

 
 

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