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レセプト請求システム、「1か所改修は全体改修と同じ」 ─ 厚労省

西岡清分科会長(左2)0629.jpg 「1か所を改修することは全体を改修することと同じ」─。DPC(入院費の定額払い方式)を導入している病院が診療報酬を請求する際に提出するデータが来年4月から変更される。これに伴い、レセプト(診療報酬明細書)の電算処理システムなどを改修する必要があるため、「システム改修は少ない方がいい」と求める声も出ているが、厚生労働省の担当者は「思い切った大きな改修をしても手間としては同じだろう」と理解を求めている。(新井裕充)

 中央社会保険医療協議会(中医協)のDPC評価分科会(分科会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)は6月29日、DPCデータの見直しについて議論し、「特定入院料」などに包括される項目を「E・Fファイル」(診療報酬請求情報)に入力することで合意したが、「様式1」(診療録情報)の見直しやE・Fファイルの統合化は継続審議となった。

 「特定入院料」は、重症患者を治療する「ICU」(集中治療室)や「NICU」(新生児特定集中治療室)などの入院料。現在、DPC病院が提出する「E・Fファイル」に反映されていないが、2010年度から入力を求める方針。また、「様式1」(診療録情報)の「必須項目」と「非必須項目」も見直す方向で議論を進める。

 同日の分科会では、医事課の事務作業の負担を軽減するため「非必須項目」を減らすなど、データ提出の簡素化を求める意見もあったが、西岡分科会長は「同じ診断群分類でも、重症度を判断する上で『非必須項目』が重要」との考えを示した。

 また、提出データの変更に伴うシステム改修の負担を懸念する意見もあったが、厚生労働省の担当者は「思い切った大きな改修をしても手間としては同じだろう」と理解を求めた。

 DPCを導入している病院では、DPCのコーディングなどを担当する診療情報管理士の配置や電子カルテシステムなど、DPCデータを提出するために多くのコストが掛かっているという。

 このため、2010年度の診療報酬改定では、そのようなコストが「新たな機能評価係数」で補填される予定。しかし、DPCデータの提出方法が大幅に変更される可能性があるため、「新たな機能評価係数で評価されても相殺されるだけ」と嘆く声もある。

 同分科会での委員の反応は以下の通り。

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