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救命士のエピペン投与、アナフィラキシー「ショック」起こす前から判断を

 総務省消防庁は7月22日、急激なアレルギー反応によって生命が危険な状態になる「アナフィラキシーショック」を起こした患者に救急救命士が行う携帯用エピネフリン製剤の投与について、具体的な運用に関する報告書案を有識者会議に提出した。各地域で策定する運用ルールの例を示した上で、呼吸困難やじんましんなどアナフィラキシーが疑われる症状が起こっている段階から対応するよう求めている。(熊田梨恵)

 厚労省は今年3月、アナフィラキシーショックを起こした患者が携帯用のエピネフリン製剤(商品名、エピペン)を使用していた場合、現場の救急救命士の判断による投与を可能とする通知を出した。ただ、通知では「アナフィラキシーショックの状態にある重度傷病者」と記載されていたため、現場からは「ショック状態となってからでは救命が遅れる」との声が上がっていた。
 
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 報告書案では、エピペン投与の実施体制や運用ルールについて、地域のメディカルコントロール協議会が策定すべきとした。エピペンを投与する患者の状態については、「『ショック』は広く末梢循環不全と解してよい」とした。血圧低下などを起こして状態で生命が危険な状態に陥っている「アナフィラキシーショック」と、ショック状態になる前に呼吸困難やじんましん、全身紅潮や血管浮腫などを起こしている「アナフィラキシー」を厳密に分けることは困難とした上で、アナフィラキシーが疑われる症状が起こった場合の判断基準など、早い段階での対応策を盛り込んだルールを作るよう求めた。
 
 ルール策定の際は、エピペンを処方されている子どもの数や所在、林業就労者などハチに刺される可能性の高い人の数、救急搬送に必要な時間などの地域の実情に応じた内容にすべきとした。
 
 また、山間部など携帯電話の電波が届かない状況も考慮した上で、救急救命士がエピペン投与の判断に迷った場合に医師からの助言を得られる体制を整備しておくことも必要とした。

 報告書は夏中にまとめられる予定。
 
<報告書案に示されたエピペン実施運用ルールの例>
 
プロトコル例.JPG 症状の例.JPG
 
 
 
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