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救急医療と時間外診療は似て非なるもの

7月24日DPC評価分科会2.jpg 救急医療と時間外診療は似て非なるもの─。夜間や休日に救急患者を受け入れることと救急医療は違う意味なので、平日昼間の受け入れ機能を評価すべきとの考えがある。(新井裕充)

 中央社会保険医療協議会(中医協)のDPC評価分科会(分科会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)は7月24日、厚労省が示した「新たな機能評価係数に係る特別調査」(調査票) を了承した。

 この調査は、2010年度の診療報酬改定で導入される「新たな機能評価係数」の候補に残っている「救急医療」「診療ガイドライン」「チーム医療」などの項目について実施する。

 このうち、救急医療では、「複数の診療科における24時間対応体制」について調べる。具体的には、「平日準夜」「平日深夜」「休日日中」の救急受け入れ体制や、各診療科の救急対応などを調べる。「平日昼間」は含まれていない。

 また、7月15日の中医協・基本問題小委員会での指摘を踏まえ、優先的に診察を受ける患者を選別する「トリアージ体制」の有無、その担当職員数のほか、救急医療に関する補助金の交付金額も調査する。

 質疑で、相川直樹委員(財団法人国際医学情報センター理事長)は「(新たな)機能評価係数で評価されるべき救急の中には、平日の診療時間にどれだけ高度な機能を提供できるかという所が評価されるべき」と主張し、次のように述べた。

 「多くの救急患者、特に事故は日中に起こる。例えば、(地下鉄)サリン事件の場合は月曜日の8時半ごろから患者さんが運び込まれた。その時に、救急の専任医でない医師がほかの診療を止めて対応するのか、それとも救急の専従医や看護師が対応するのか。これによって、病院の機能が全く違うし、アウトカム(結果)も全く違う」

 これに対して、厚労省保険局医療課の宇都宮啓企画官は、「複数の診療科における24時間対応体制についての調査という認識だった。むしろ、平日日中ではない部分を拾おうという観点」と答えた。

 救急医療をめぐっては、2次救急を引き受ける民間病院が減少した結果、2次救急病院で受け入れるべき患者が救命救急センターなどの3次救急病院に流れ、その負担で3次救急が破綻する「負の連鎖」が指摘されている。
 このため、地域の2次救急を充実するような診療報酬改定が重要だと思えるが、中医協の議論は大病院の救急医療を評価する方向で進んでいる。

 今回の厚労省の調査案を見る限り、24時間365日救急患者を受け入れる体制を評価する方向性が読み取れる。もちろん、3次救急も2次救急も、どちらも手厚く評価されればいいのだが......。

 救急医療の評価に関する7月24日のDPC評価分科会の議論は、以下の通り。


 【目次】
 P2 → 「平日の診療時間にどれだけ高度な機能を提供できるか」 ─ 相川委員
 P3 → 「24時間対応体制の調査という認識だった」 ─ 厚労省
 

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