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ニュース〜医療の今がわかる

総選挙直前企画 各党の医療政策を聴く④日本共産党

(そのために必要な特にお金はどの程度で、どのように賄いますか)

 「大企業の負担を増やす」と言うと、「共産党は大企業を潰すのか」と言われるけど、別に潰そうという意味ではなくて、社会保障のコストや税金は支払い能力に応じて負担していく「応能負担」が原則だと思うんです。10年前に比べると、大企業、あるいは資産家、高額所得者の減税がかなりされていて、7兆円ぐらい減税されているんです。1年間分で。これを元に戻すだけでも十分、医療や年金の財源は出てくる。しかし、なかなかそれをみんな言わない。

 要するに、「国際競争力が......」って言うんだけど、私は国際競争力というのは、「日本の国がどれだけ元気か」ということにあるわけで、医療や年金、介護がズタズタになっていて、国際競争力も何もないんじゃないかなと思う。やはり、経済の源泉は国民の消費や暮らしなので、これをしっかり応援してこそ、国際競争力が伴ってくるんじゃないかなと思う。共産党だけがこんなことを言っていると思われるかもしれないが、実は世界ではいろいろな動きがあります。

 アメリカのオバマ政権が経済政策を出していて、われわれは注目しているんですが、大体、これから10年かけて軍事費を140兆円削るという。それでヘルスケアに回す。それから、富裕層に100兆円以上の増税をして、中・低所得者に72兆円の減税をやると言っている。
「軍事費を削って医療に回せ」とか、「金持ちに増税をして庶民に減税しろ」なんて、日本共産党みたいなことをオバマ政権はやろうとしている。あと、イギリスでは消費税の減税をやって、所得税の最高税率を上げるということをやる。

 やっぱりね、「暮らし」が本当に危機で、財政も大変だという時に一番やらなきゃいけないのは、暮らしが最も苦しい人を応援する政治であって、社会保障などを建て直すということ。その財源は、やはり力のある人が負担する。素直に考えればそういう方向になるはず。それがなかなか、日本の政治は......。
 ここにきちんとメスを入れれば財源はできると言うんだけど、やっぱり大企業、大資産家の負担と言うと、ここが「聖域」になってしまっている。だから、特殊法人とか大型開発など税金の無駄遣いを見直すことも1つだけど、4兆8000億円の軍事費ってね、どうなんでしょうか?

 いきなり、「軍事費をゼロにしろ」とまでは言わないけれど、例えばアメリカに対する「思いやり予算」なんて、2800億円ぐらいある。オバマ首相も「核廃絶だ」と言い出していて、世界が平和の共同体のような動きがある中で、軍事費を4兆8000億円も出し続ける必要があるのかどうか。そういうところにメスを入れていけば、消費税の増税に頼らずに社会保障の充実が図れると思っています。

 お医者さんなど医療従事者と話す機会が多いんだけど、本当に職場が大変だから、「やはり消費税を増税するしかないのかな」と思っている人って、ものすごく多いんです。それはマスコミがそういう宣伝をするということも原因の1つにあるけれど、ただね、よく考えてほしいと思っているのは、社会保障を本当に必要としている人というのは、低所得者です。国民健康保険の保険料が払えるか払えないかという、あるいは母子家庭の皆さんとか。

 切実に、もっともっと日本の社会保障を良くして、負担も軽くしてほしいと願っている人たちがいる。そういう人たちにとって、消費税というのは一番重い税金です。生活保護世帯も母子家庭も避けて通れない税金ですから。「社会保障を良くしてほしい」という願いを持っている人は、消費税の増税は受け入れられないはずです。
 「社会保障の財源は消費税だ」と言っている限りはね、もう、何かそこから抜け出すことはできないと思う。結局、社会保障を良くしたいという願いも実現できないと思う。そこから抜け出して、「ここにもっと財源があるじゃないか」という方向に目を転じれば、いろいろな可能性が出てくると思っています。

 今の日本は、「結局、消費税の増税しかないのか」という方向に行っているけれど、それでは希望ある医療、社会保障制度はできないと思う。「そうではない道があるんだ」と訴えることが必要ではないでしょうか。「なぜ、こういうことが言えないのかな」って考えると、企業からお金をもらっているわけじゃないですか。自民党だけじゃなくて民主党もね。やはり、お金をもらいながらだと、企業に応分の負担を求めるということは言えないのかなと思います。
 われわれは企業から何ももらっていませんから、何でも堂々とモノを言える日本共産党が、「ここに財源があるんだよ」ということを訴えていく必要性が大きいんじゃないかなと思う。マスコミは、例えば派遣の問題などにしても、派遣会社のコマーシャルがあるからなかなか言えないとか、そういうことがある。日本共産党はそういうタブーがないので、堂々とモノが言える。そういう政党が中心になって訴えていくことが大事だと思います。

 財源として、天下りや埋蔵金などがよく言われますが、例えば埋蔵金などに頼った財源というのはいつまでも出てくるものではないから、最終的には行き詰まってしまう。「じゃ、次は消費税だ」ということになる。
 そこで、きちんと安定的にずっと使える財源という意味で言えば、軍事費は社会保障費の財源になる。これから、どんどん高齢化していくと、社会保障の費用がもっと掛かる。そのとき、誰が負担するのか。社会保障を本当に応援する政治に変えて、経済を活性化していくということになれば、そのときにまた能力に応じて負担していけばいい。企業は収入が増えて、所得が増える人も出てくるのだから、そういう人たちに応分の負担をしてもらえばいい。そういう方向で考えれば、将来にわたって安定した財源をつくることができる。

 以前、「医療費亡国論」というのがありました。これは、とんでもない暴論です。社会保障費がかさんで滅んだ国なんて歴史上ないと思う。多くの場合、国が滅ぶ時は戦争ですよ。「医療費亡国論」なんていうのは、全くナンセンス。やはり、「医療立国論」です。医療、介護、福祉、保育、そういった社会保障の分野というものが日本経済の発展の原動力になると思います。

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