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山形大病院は、「国策に反している国立大学」? ─ DPCヒアリング

DPCヒアリング0924.jpg 「先生、それは病院として恥ずかしい発言ですから、やめてください」「国策に反している国立大学ということになります」─。厚生労働省の陰湿な反撃が始まったというべきか。厚労省の医療事故調査委員会や臨床研修制度などに対し、歯に衣着せぬ積極的な発言をしている嘉山孝正氏が医学部長を務める山形大学医学部附属病院が、DPCのヒアリングで集中砲火を浴びた。(新井裕充)

 2010年度の診療報酬改定に向け、中央社会保険医療協議会(中医協)DPC評価分科会が9月24日に開かれ、9病院からヒアリングを実施した。
 このヒアリングは毎年秋に行われ、別名「査問委員会」とか「懲罰委員会」などと呼ばれている。DPCによる診療報酬の請求方法が全体の平均と比べて大きく異なる病院をピックアップして厚労省に呼び付け、公開の場で聴聞する。
 この分科会の委員は厚労省の意向に従う御用"とも言うべき医療者ばかり。招集された病院の院長らを厚労省に代わって厳しく追及し、質問攻めにする。この"儀式"を済ませてから、DPCルールを変更するというのがこれまでのパターン。

 ヒアリングには、"問題のある病院"と"模範的な病院"が呼ばれる。今年のヒアリングは2日間にわたって行われ、第1日目である9月24日に参加したのは、"問題のある病院"が7病院で、"模範的な病院"が2病院。
 その内訳は、▽再転棟率が高い(1病院) ▽播種性血管内凝固症候群の出現割合が多い(2病院) ▽敗血症の出現割合が多い(2病院) ▽後発品の使用割合が少ない(2病院) ▽後発品の使用割合が多い(2病院)。

 このうち、後発品の使用割合が少なく"問題のある病院"として、山形大学医学部附属病院がヒアリングに呼ばれた。特定機能病院で後発品の使用が少ないことが中医協で問題視されていたが、同院が最も低いわけではない。
 厚労省が6月3日の中医協・基本問題小委員会で公表した資料によると、特定機能病院で後発品の使用割合が最も低かったのは、新潟大学医歯学総合病院の1.3%、次いで東海大学医学部付属病院(1.7%)、山形大学医学部附属病院(1.8%)、藤田保健衛生大学病院(同)、和歌山県立医科大学附属病院(同)―などの順だった。この中から、山形大学医学部附属病院が選ばれた。

 ヒアリングで、同院の細矢貴亮副院長は、「基本的には、『今までの診療を変えないでいきましょう』『自分が信ずる最良の医療をやりましょう』という方向で、ずっと指導してきている。その結果、ジェネリックに関しても各診療科の裁量に任されている」と説明した。調査票の回答欄には、「統一的に安全性が確立されていないため、積極的には導入していない」との理由が記載されている。

 質疑では、後発品の使用に消極的な姿勢を示す細矢副院長に対し、委員らが集中砲火を浴びせた。オブザーバー出席の邉見公雄氏(全国自治体病院協議会会長)は、「国策に反している国立大学」と批判。西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)は、「大学の一番いけないところを主張されているような気がする。大学病院といえども、やはり国民の医療を担当している病院なので、教授が勝手にやっていいなんていうルールはどこにもない」と厳しい口調で責め立てた。
 細矢副院長は、各診療科の裁量に委ねていることを説明したが、西岡分科会長は「先生、それは病院として恥ずかしい発言ですから、やめてください!」と叱責した。

 詳しくは、次ページ以下を参照。


【目次】
 P2 → 「ジェネリックは各診療科の裁量」 ─ 山形大病院
 P3 → 「安全性が確立されていないとの証拠は?」 ─ 相川委員
 P4 → 「節約できるものは節約していく」 ─ 厚労省
 P5 → 「国策に反している国立大学」 ─ 邉見氏
 P6 → 「大学の一番いけないところ」 ─ 西岡分科会長
 

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