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11月18日の中医協 (ブリーフィング)


■ 基本問題小委員会① ─ 医療技術の評価
 

[保険局医療課・佐々木健課長補佐]
 (診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会の)吉田(英機)分科会長(昭和大医学部名誉教授)から技術評価の状況について、報告がありました。
 会場にも、ズラーッとファイルが並べてありましたが、(各学会等から)900近い要望がございまして、それを1つひとつ審査しているという状況についてご報告がありました。それに関してはまだ中間的な状況ですが、最終的には1月下旬ごろに基本問題小委員会に再度報告することになっています。

 ▼ 今年3-6月にかけて、関係学会等から合計733件(重複を除く)の医療技術の評価・再評価希望書が厚生労働省に提出された。ワーキンググループによる1次評価を通過したのは344件(新規159件、既存185件)。今後、同分科会を2回程度開催し、2次評価結果をとりまとめた上で来年1月23日に基本問題小委員会に報告する予定。
 同日の質疑で吉田分科会長は、「大病院が疲弊しているのでドクターフィーということで手術に関する技術を評価したため、今回は数が多い」と説明した。邉見公雄委員(全国公私病院連盟副会長)は「技術とモノの分離はどこで決めるのか」と質問、吉田分科会長は「ここ(基本問題小委員会)で決めてほしい」と回答した。保険局医療課の佐藤敏信課長は「ご意見があったことを踏まえ、(吉田)分科会長と話しながら検討したい」としながらも、「ちなみに前回改定では8つの項目について特殊縫合が評価されている」と付け加えた。
 また、安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は「材料には高価なものが含まれているので、モノと技術の分離は積年の願い。モノと技術のパーセンテージを表記したほうがいい」と要望。吉田分科会長は、「外保連で全技術を計算したが、誰がどこで手術点数を決めたのか分からない。科によっては顕微鏡の値段を入れるなどバラバラ。外保連に適正な公平な医療費の表を出せと言えば、2年かかって作れる」と答えた。

 その後、嘉山委員(山形大学医学部長)から米国の技術料のRBRVS(ドクターフィー評価システム)についてご提示がありました。アメリカの場合は医師に直接払いする仕組みですが、払う値段、手術の値段に相当すると思いますが、そういうものについて相対係数を付けてやっていく。
 この中で、日本でも外保連と言いまして、外科系の団体が集まっていろいろと要望書を出していまして、それについて、ある程度、将来的にですね......。

 今回の改定でどれだけ使えるかということはありますが、将来的にそういうものを活用しながら適切な技術料を設定する。特に手術ですかね、(技術料を)設定するという話になったという理解です。

 ▼ 嘉山委員の説明を受け、遠藤会長が補足。資料の5ページ「支払額=Σ(RVUi × 地域補正係数) × 転換係数」について、「ここがポイント」と指摘してこう述べた。
 「RVUi というのは、お医者さんがAという技術とB技術のうち、AはBの1.5倍の価値があると判断するわけですが、『いくら』ということは判断しない。『転換係数』が日本では1点10円みたいなもので、この『転換係数』を調整するのは財源(問題)があるので議会です。そういう形で金額に換算する。医者は個々の技術を相対評価する」
 その上で、診療報酬を医師に直接支払うという意味での「ドクターフィー」については、「またちょっと違う話になる」と一蹴。嘉山委員が「ドクターフィーについてここ(中医協)で議論を続けるはず」と主張したが、遠藤会長は「診療行為ごとの価格の相対的な位置付けがはっきりしていないので、外保連試案を使うことによって相対的な位置付けを、技術の価格の格差を補正してはどうかという議論に進んでいる」と退けた。厚労省は、診療科ごとの医師偏在を解消するため、診療報酬を診療科別に「適正化」する手段として技術の相対評価を導入する方針とみられる。つまり、「医師の技術評価」という名目の下、診療報酬を引き上げる「評価」という方向ではなく引き下げる方向、つまり「適正化」「効率化」へ進むことも予想される。
 ドクターフィーについて嘉山委員が、「早急にやらないと崩壊する。外科系、産婦人科などに(研修医が)入りたがらない」と訴えたが、遠藤会長は「誤解があるかもしれない。金額を上げるとか、そういう話ではない。相対的な位置付けをプロの集団ではっきりさせる。上げるかどうかはまたここで議論する」と返した。勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)も、「きちんとしたものにしてくれれば、それを使ってほしい」と乗り気。
 これに対し、安達秀樹委員(京都府医師会副会長)が「全体の医療費の中で外科の手術料や技術料が占める診療報酬が落ちている。バランスが取れていない」と指摘。吉田分科会長も「外保連(試案)の手術点数と現在の保険点数を比較すると、外保連試案の25%が平均。外科医が疲弊しているので、平等な点数設定をし直して、外科医の保険点数を上げていただきたいと分科会で話したい」と述べた。
 これらの意見を受け遠藤会長は、「基本問題小委員会としては公平で利用できるものが出てきた場合には、外保連試案によって手術の相対点数を付けるという方向で考えていきたい、こういう決定を(中医協で)したということでよろしいですか?」と同意を求めたところ、1号(支払)側、2号(診療)側委員共にうなずいた。手術料は前回改定で全体的に引き上げられており、この傾向は今後も続くことが予想される。


【目次】
 P1 → 総会 ─ 医療経済実態調査に係る意見
 P2 → 基本問題小委員会① ─ 医療技術の評価
 P3 → 基本問題小委員会② ─ 疾患別リハビリテーション
 P4 → 基本問題小委員会③ ─ 回復期リハビリテーション病棟
 P5 → 基本問題小委員会④ ─ 医療安全に関する体制
 P6 → 基本問題小委員会⑤ ─ 事業仕分けに関する嘉山委員の資料等

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