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11月20日の中医協 (ブリーフィング)

■ 基本問題小委員会① ─ 後発医薬品の使用促進
 

[保険局医療課・磯部総一郎薬剤管理官]
 「診─1」(後発医薬品の使用促進のための環境整備)の資料ですが、後発医薬品の使用促進策については今日が1回目ということでご説明させていただきましたが、(遠藤)委員長に(論点1~4の肯否を)大分うまくまとめてもらいました。論点は6ページ、7ページになります。

○ 論点
1 薬局における後発医薬品調剤体制加算について、その算定状況と数量ベースでの後発医薬品調剤率の状況、さらには、後発医薬品の説明・調剤に積極的でない薬局におけるその原因を踏まえ、算定要件を含めた加算の在り方についてどのように考えるか。
2 検証部会の調査結果では、
 ○ 在庫管理の負担が大きいことが、薬局で後発医薬品の調剤が進まない最大の理由となっており、
 ○ また、先発医薬品の含量規格や剤形に対応した後発医薬品がないために変更できなかった事例が少なからず存在し、後発医薬品への変更を進めるために最も重視する要件としても、「剤形・規格の違いに関わらずに銘柄変更調剤ができる環境の整備」が挙げられている。
このことを踏まえ、
 (1) 「後発医薬品への変更不可」欄に署名等のない処方せんを受け付けた薬局において、
  ① 変更調剤後の薬剤料が変更前よりも少なくなること、及び
  ② 患者に説明し同意を得ること
 を条件に、処方医に改めて確認することなく、処方せんに記載された先発医薬品と含量規格が異なる後発医薬品の調剤(注)を認めることについて、どのように考えるか。
  (注) 例えば、処方せんに記載された先発医薬品の10mg錠1錠に代えて後発医薬品の5mg錠2錠を調剤すること。
 (2) また、薬局における在庫管理負担を軽減する観点から、処方せんに記載された先発医薬品と類似した別剤形の後発医薬品の調剤(注)を認めることについて、どのように考えるか。
  (注) 例えば、先発医薬品:カプセル剤 → 後発医薬品:錠剤に変更
先発医薬品:口腔内崩壊錠 → 後発医薬品:普通錠に変更
なお、先発医薬品と後発医薬品との間で同等性が確認されている範囲での変更に限る。
3 薬剤料を包括外で算定している入院患者に対する後発医薬品の使用を進めるため、薬剤部門が後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ院内の薬事委員会等で採用を決定する体制を整えるとともに、後発医薬品の備蓄品目数又は割合が一定以上の場合について、診療報酬上の評価をどのように考えるか。
4 診療時に、医師が患者に対して後発医薬品について説明し、使用の意向をたずねてくれることが、その使用促進につながると考えられることを踏まえ、そのような取組を促す方策について、どのように考えるか。
5 その他、検証部会の調査結果からは、医療機関・薬局が後発医薬品の使用を進めるための要件として、「医師や薬剤師に対する後発医薬品の品質保証が十分であることの周知徹底」や「メーカーによる情報提供や安定供給体制の確保」が多く挙げられていることを踏まえ、診療報酬上の評価とは別に、これらの取組をどのように進めていくべきか。
 いくつか修正なり条件など(の意見)がございましたが、おおむねこの論点の方向で議論を進めていくことになったと思います。

 (議論の)途中では、(安達秀樹委員・京都府医師会副会長、嘉山孝正委員・山形大学医学部長らが)「そもそもジェネリックの品質確保が十分なのかどうか」とか、「エビデンスが足りないんじゃないか」とか、いろいろご議論はございましたが、それなりに議論して、全体としてはジェネリックを進めていこうと、そのための方策としてどうしたらいいかということで、かなり前向きな議論ができたのではないかと思っています。

 今後は、この(論点の)詳細を詰めていくような作業を進めていきたいということでございます。ジェネリックの関係は以上です。


【目次】
 P1 → 薬価専門部会 ─ 特許期間中の新薬の薬価改定方式
 P2 → 基本問題小委員会① ─ 後発医薬品の使用促進
 P3 → 基本問題小委員会② ─ 療養病棟
 P4 → 基本問題小委員会③ ─ 有床診療所
 P5 → 基本問題小委員会④ ─ 改定率に関する意見具申

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