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ニュース〜医療の今がわかる

あまりに空虚な議論 新型インフル ワクチン検討会

 昨日行われた新型インフルエンザワクチンの副反応検討会の模様をお伝えする。仕掛けだけは仰々しかったが、事務方に注文をつける意見は無視されて、結局厚生労働省の方針を追認しただけだった。(川口恭)

足立信也政務官
「先週の定点報告では発症のピークが若干下がった感じがある。死亡例が112例、ワクチン接種後の死亡報告が今日の段階で70例。鳩山総理が、この内閣には理系の人間が多いと言った。大臣や官房長官に5人いる。私も理系の人間だが、科学の部分と行政の部分はおのずから違う。後医は名医という言葉もある。しかし現時点で問題に対処するために科学の目でリーズナブルなところを見つけ、それを行政に反映する視点をこれまで貫いてきた。ワクチンの接種回数や副反応の評価、死亡例の評価などがそうだ。今後ますます科学の評価の重要性が高まると考えている。輸入ワクチンの評価もしなければならなくなる。

 科学の目でしっかり議論していただいて、国民の目から不安に感じたり分からない面をできるだけ払拭していただければと思う。政治家が同席すると、メディアの人からは何か政治の力で導いているかのように受け取られるかもしれず、参加しない方がいいのかもと思ったが、私も来年夏には選挙を控えている身で毎週末には地元へ帰っているけれど、今日の会議は非常に重要だと思ったので出てきた。よろしくお願いしたい」

 日曜日に大変な熱意である、が、実際に何が起きたかというと全体2時間のうち1時間以上を事務局が資料を読み上げるのに使ってしまって、委員どうしのディスカッションは驚くほど少なく、大勢の委員を全国から集めたのに、実にもったいなかった。足立政務官も、この後は会議終了まで一言も発しなかった。

 いったいどの程度の話をしているのか、死亡例に関する議論をお読みいただこう。

 松本和則・独協医大特任教授(座長)
「相変わらず高齢者の特に肺疾患の人の死亡が多いようだが」

 久保恵嗣・信州大副学長(参考人)
「前回(注:前々回のことか?)とほぼ同じ傾向かな、と思う。前回も重症で酸素を吸っているような人に往診してまで打つ必要ないんじゃないかと申し上げた記憶がある(前回傍聴していた私には記憶がないので、抜き打ちでやられてしまった前々回か?)。適用をもう少し慎重に決めてもらいたいなと思う。ただ、棒グラフをみると基礎疾患のある人はもう終わりかけているのだろうか」

 松本
「現時点では明らかにワクチンとの因果関係のある死亡というのはないということでよろしいか」

 議論を始めて2言目に、いきなりそれはないだろう。

 久保
「そう判断する。ただ基礎疾患のある方というのは少しのことで増悪するので、ワクチンを打ってどの程度関係するかは判断が難しいが、少なくとも直接的影響はないと考える」

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