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12月22日の中医協 (ブリーフィング) 

■ 総会② ─ 平成22年度薬価制度改革の骨子
 

[保険局医療課・磯部総一郎薬剤管理官]
 薬価専門部会と総会で「平成22年度薬価制度改革の骨子案」についてご審議いただきまして、基本的にはこの内容について特段修正する部分もなく了承されたというのが結論でございます。

 ▼ 薬価専門部会では、小林剛委員(全国健康保険協会理事長)と松谷高顕専門委員(東邦ホールディングス会長)が要望を述べた。総会では特に意見が出ることなく了承された。
 なお、前回12月11日に示した「たたき台」のうち、今回の「骨子案」では「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」について主に次の4か所が修正されている。

○ 当該加算対象となる新薬の範囲(修正前)
 以下の①及び②の要件に該当するもの。ただし、本文「第2 3その他 (1)」で算定される配合剤であって、薬価収載時に補正加算が適用されなかったもののうち、薬価収載後15年を超えた成分または後発医薬品が上市されている成分を含むものは除く。

→ 修正後(骨子案)
 以下の①及び②の要件に該当するもの。ただし、本文「第2 Ⅱ 3.その他 (1)」で算定される配合剤又はそれに相当する既収載配合剤であって、薬価収載時に補正加算が適用されなかったもののうち、薬価収載後15年を超えた成分又は後発医薬品が上市されている成分を含むものは除く。

○ 当該加算の具体的内容(修正前)
1) 薬価改定時に、上記(1)に該当する医薬品については、市場実勢価格に基づく算定値に、「加重平均乖離率-2%」を加算する。なお、改定前薬価を上限とする。
2) ただし、有識者会議(仮称)による評価結果等を踏まえ、以下の場合には、当該企業の全ての新薬に対して加算を適用しない。

→  修正後(骨子案)
1) 薬価改定時に、上記(1)に該当する新薬については、市場実勢価格に基づく算定値に、「加重平均乖離率-2%」を加算する。なお、改定前薬価を上限とする。
2) ただし、有識者会議(仮称)による評価結果等を踏まえ、次回の薬価改定時までに、当該加算対象品目を有する企業について、要請を受けた適応外薬等の品目の開発・上市状況を確認し、以下の場合には、当該企業の全ての新薬に対して加算を適用しない。

○ 加算対象となる期間中に加算要件を満たさなくなった後の薬価改定(修正前)
1)上記(1)の要件を満たさなくなった場合
 その直後の薬価改定時には当該加算を適用せず、市場実勢価格に基づき算定する。
2)上記(2) 2)に該当すると判断された場合
 ① 新薬の薬価は、これまでの加算された分を、市場実勢価格に基づく算定値から追加して引き下げた薬価とする。
 ② これまでの加算より得られた販売額(薬価ベース)に、一定の利率を乗じた分を加えた販売額に相当する分について、当該企業の全既収載医薬品の薬価を、市場実勢価格に基づく算定値(当該加算を受けていた品目については上記①の薬価)から追加して引き下げることとする。
 なお、中医協において当該加算の不適用を判断するに当たっては、必要に応じ当該企業に意見陳述の機会を与えることとする。

→  修正後(骨子案)
1)上記(1)の要件を満たさなくなった場合
 その直後の薬価改定時には当該加算を適用せず、市場実勢価格に基づき算定する。
2)上記(2) 2)に該当すると判断された場合
① 当該新薬の薬価は、これまでの加算された分を、市場実勢価格に基づく算定値から追加して引き下げた薬価とする。
② 前回の薬価改定時以降、当該加算により得られた販売額(薬価ベース)に、一定の利率(5%)を乗じた分を加えた販売額に相当する分について、当該企業の全既収載医薬品の薬価を、当該薬価改定時に限り、市場実勢価格に基づく算定値(当該加算を受けていた品目については上記①の薬価)から追加して引き下げることとし、その次の薬価改定では当該引下げ相当分を戻すこととする。
 なお、中医協において当該加算の不適用を判断するに当たっては、必要に応じ、当該企業に意見陳述の機会を与えることとする。

○ 後発医薬品のある新薬の薬価引下げ(修正前)
(8) 導入時の財政影響の緩和策
 製薬業界の提案では、当該加算の適用に当たっては、後発医薬品の使用促進により財政影響が緩和されることを前提としている。後発医薬品の使用促進状況が十分進んでいないことから、平成22年度改定において、後発医薬品のある新薬の薬価を2%追加で引き下げることとする。

→  修正後(骨子案)
(8)後発医薬品のある新薬の引下げ
 後発医薬品の使用が十分進んでいないことから、平成22年度薬価改定においては、後発医薬品のある新薬の薬価について、市場実勢価格に基づく算定値から2%更に引き下げることとする。


【目次】
 P1 → 薬価専門部会 ─ 平成22年度薬価制度改革の骨子案
 P2 → 総会① ─ 平成22年度保険医療材料制度改革の骨子
 P3 → 総会② ─ 平成22年度薬価制度改革の骨子
 P4 → 総会③ ─ 後発医療品の使用促進のための環境整備の骨子

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