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「二次救急はレベルがさまざま」 ─ 4000億円は地域の中核病院へ?

■ 「二次救急はレベルがさまざま」 ─ 厚労省課長
 

[勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)]
 (救急医療を評価するという)方向性は良いと思うんですけども、繰り返し言ってきたように、救急に関しては量も質もですね、ドラスティックに......、していただきたいと思って、「この場(中医協)でできる限りのことを」ということでお願いしてるんで、改めて点数設定なんかもそういうことをお願いしておきたいということと......。

 それで今、短期的には救急をやっておられる所が充実していくようにということですが、それ以上に質や量を高めていくためには、救急にもっと関心を持つ、もっと救急を積極的にやっていこうという医療機関が、医療関係者が増えていかなければならない。そういう流れができてほしいと思うんですけれども......。

 それで、先ほど嘉山さんの話を聴いて思ったんですが、過去に(中医協・基本問題)小委員会で資料が出たと思うんですけれども、例えば、「救命救急センター」なんかもですね、やや量が減るよりも増えていくぐらいのことが、今回の診療報酬の結果、動いていくぐらいのことのほうが、やはり僕としては......。

 それほど、救急医療というのはもっともっと充実していいと思っているんですけど、そういう連携というかですね、実際にどういう状態になっていて、どういう課題があってとかの関連性とかも、「ちょっと医政局マターだから」という話とか、「公費との関係が......」ということを越えてですね、ここ(中医協)でやっていることがより、この点数がより勤務医の現場で生かされていくというような、なんか......、ぜひお願いしておきたいと思うんですが、その辺こう、何か(医療課の考えを)頂ければと思います。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 先ほどの(佐藤課長の)お話ですと、「学会からヒアリングをしている」とかですね、あるいはここの場でも実際に学会の代表からヒアリングをさせていただいたということがあって......。

 そういったような視点から一応、制度設計をしているというようなお話のように承りましたけれども......。医療課長、ただ今、勝村委員がおっしゃっられたことについて何かコメントございますか。

[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 はい。ちょっと保険局の所管を離れて広くご質問を頂いたように思いますので少し整理いたしますと、実態から申しますと「救命救急センター」は順調には増えております。

 ただし、先ほど嘉山委員からの質問にもお答えしましたように、「救命救急センター」の基準はかなり厳しゅうございますし、また、認定された、届出が受理された後も「充実度評価」のようなものをされますので、「急増する」というところまでは行きません。
 また人口規模等、あるいは効率化を考えると、「救命救急センターが山のようにできる」というのも必ずしも効率的ではないと思います。そういう意味では、順当な方法で伸びておりますし、それを後押しするような点数になっているだろうと思います。

 また、二次救急(医療機関)につきましては、3000を超えるぐらいありまして、これは横ばい、あるいは一時的には下がったりもしたんですけれども......。
 これは何度も繰り返し(申し上げ)ておりますように、二次救急というのはレベルが、レベルと言いますか活動が活発な所とそうでない所までさまざまございまして、今回の診療報酬では「救急医療管理加算」のように、二次救急の中でもよく頑張っていただいている所、あるいは救急患者の対応をして地域と連携して迅速に関連医療機関に紹介していく医療機関、こういった所にはかなり手厚く配分するように心掛けたつもりですので、二次救急の中で「頑張っていただいている所」には相当配慮して......。

 本当の数というとなると分かりませんが、「質の高い二次(救急)医療機関が増えていくだろう」というふうに考えております。

 ▼ 厚労省が昨年9月30日の中医協・基本問題小委員会で示した資料(二次救急医療機関の1施設当たりの年間救急搬送患者数)によると、1年間に1万1000台(1日30~40台)を超える救急車を受けている病院もあったが、全く受け入れていない救急病院が約半数あった。資料(PDF:486KB)はこちらの10ページ。このデータを1つの基準にして加算することも考えられるが、救急車の受け入れ数はその地域の人口や患者数の影響を受けるのではないか。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 勝村委員、どうぞ。

[勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)]
 そう言っていただけたらありがたいんですけれども、つまり(診療報酬改定の)結果として救急医療の質や量が高まっていってほしいわけで......。

 やはり、中医協だけが独りよがりになっていて......、ということにならないように連携をお願いしたいと言い続けてきたんで、医政局のほうでできるだけ......、「救命救急センター」を1つとっても、......していくべきだというのをしっかりやってもらって、そこと連携して後押ししていく形になってるんだというふうに思えたので、そういう形で(補助金など)公費との関連も1号(支払)側としては......。

 公費のことが足かせになって何か認定ができないとか、そういう話を嘉山さんからお聞きしたので、ぜひ密に連携し合ってですね、縦割りでなしに本当に連携してやっていただきたいということを強くお願いしたい。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 はい、貴重なご意見、ありがとうございます。それでは、「救急入院医療の充実に係る評価」、これはよろしゅうございますか? 基本的にこのような方向で、(総合入院体制加算の要件については)また再度(議論する)。(以下略)

 ▼ 外口崇保険局長は前医政局長、佐藤課長は前医政局指導課長。補助金を"武器"にする医政局との連携はバッチリではないだろうか。拠点化・集約化はより一層進むだろう。二次救急を担う中小病院がバタバタと潰れてしまって、大病院と連携する病院が消えてしまうという事態にならなければいいが......。

 
 
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【目次】
 P2 → 「平成22年度診療報酬改定の個別改定項目」を提示 ─ 厚労省
 P3 → 「医政局が認めない救命救急センターから壊れている」 ─ 嘉山委員
 P4 → 「地域の格差が拡大する」 ─ 鈴木委員
 P5 → 「総合的な入院・救急体制でも周りに受け手がない」 ─ 邉見委員
 P6 → 「地域にいろんな問題があるが割り切らざるを得ない」 ─ 白川委員
 P7 → 「二次救急はレベルがさまざま」 ─ 厚労省課長

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