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ニュース〜医療の今がわかる

何か足りない、「ドラッグ・ラグ」の議論

■ 副作用被害を防止、救済できるか
 

 「医者もいろいろ」という声は至る所で耳にする。これを臨床現場の医師が読んでいたら誠に申し訳ない。ある病院のベテラン看護師が「これまで出会った中で、尊敬できた医師は......」などと嘆いていたことがある。
 また、事務職員が「当院は9対1です」と苦笑したこともある。看護配置ではない。「素晴らしい先生が1人で......」という話だった。

 この日の中医協で、副作用被害が起きた場合の救済について勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)から質問があった。
 厚労省の担当者は、今回のスキームで保険適用が認められた医薬品についても副作用被害救済制度の対象になるとしながらも、「抗がん剤は除外」という現行ルールを説明した。

 薬害事件などを担当する弁護士の中には、現在の救済制度が不十分であるため、拡大・強化を求める声もある。現行制度は製薬企業にちょっと気を使っているのだろうか。

 もし、「ドラッグ・ラグの解消」という方向に一気に舵を切るなら、未承認薬も適応外薬と同等のスキームで短縮化を図り、同時に救済制度の拡大・強化を進めるべきとの考え方もあるだろう。


【目次】
 P2 → 未承認薬をどうするか
 P3 → 医療費は増えるか
 P4 → 医師の裁量権を拡大するか
 P5 → 患者に不利益はないか
 P6 → 副作用被害を防止、救済できるか
 P7 → ドラッグ・ラグは解消するか


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