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ニュース〜医療の今がわかる

原発作業員の健康被害に備え補償策を ─ 虎の門病院

■ 「未承認薬は50人分を輸入している」 ─ 谷口部長
 

[谷口修一・虎の門病院血液内科部長]
 実際に自分の幹細胞を採る作業というのは、健常時......。骨髄移植のドナーさんというのは通常、血縁者内、兄弟間なんです。その方々から「G-CSF」(顆粒球コロニー刺激因子)という白血球を増やす薬剤ですが、それを打つことによって、4日から5日間ぐらいかかりますけれども、それを......。

 特殊な採血で、3時間ぐらいかかりますが、ちょっとどこか(資料に)写真があると思いますが、ベッドサイドで採ることができます。

 その技術というのはもう、1990年代の半ばぐらいから確立され、2000年に入ってから保険承認されたと思いますが、もう、これも古い治療法です。

 最近では骨髄バンクですね。骨髄バンクというのは、全く健常人のボランティアドナーさんに対しても同じ方法で幹細胞を採って、それを白血病患者さんの治療のために応用するということが始まっておりますし、決して突飛なことをやるわけではなくて、本当に歴史のある治療法を......、治療法というか、医療手技を提供したいということであります。

 ただし、今申し上げましたように「G-CSF」だけを使う方法ではどうしても4~5日かかるので、場合によっては、事態によっては、4~5日も時間が取れないというような意見が各部署からちょっと出たものですから......。

 それならば、もっと早く採れる方法はないかということで、世界的に行われている方法も考えて、そのための準備も整えます。これについては未承認薬の問題があるので、まだ様々な問題があると思いますけれども......。

 私としては、所定の手続きを踏んだ上で、そういうことがどうしても必要な事態のときには準備はできたというふうに考えております。

 成田で、なかなか......、ちょっと通関の問題で時間が掛かりましたけれども、本日、先ほど虎の門病院に50人分届いておりますので、そういう事態の方々に対しては......。もちろん、所定の手続きを取りますのでもう少し時間がかかりますけれども......。

 「G-CSF」で、多くの方は4日で採れると思いますけれども......。もう、通常に行われている保険診療と同じことをやりますので、ただ、そういう従業員の方々は病名が付きませんので保険診療は適用できないと思いますけれども、それはいつでも対応できる状態になっております。

 私としては、原発修理で仕事をなさっている方はかなり一杯おられるんだろうと......。人数が発表されないので正確には知りませんけれども......、1000人とか2000人とか、延べ人数と聞いていますが......、おられると。

 その1000人から2000人全部採るのかと言われると、まあ、確かに「んっ?」とか思うところはありますけれども......。今後、長期化すると聞いておりますし、原発付近で、最前線で作業される方々というのは50人、100人の単位と聞いておりますので、一応、先ほどの未承認薬は50人分を輸入しております。

 もちろん、「G-CSF」で採るところもありますので、100人単位......。正確には申し上げられませんけれども準備は整ったと、虎の門病院で準備は整ったというふうに考えております。
 

【目次】
 P2 → 「健康被害の脅威ある中で作業」 ─ 山口院長
 P3 → 「生殖器の次に障害を受けるのが骨髄」 ─ 谷口部長
 P4 → 「突飛なことをやるわけではない」 ─ 谷口部長
 P5 → 「未承認薬は50人分を輸入している」 ─ 谷口部長
 P6 → 「日本全国の血液内科の病院が一体となって」 ─ 谷口部長
 P7 → 「オールジャパンで支援体制を組みたい」 ─ 豊嶋准教授

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