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ニュース〜医療の今がわかる

厚生労働省のデータは実態を反映しているか

■ 医学部の教員数(常勤)の推移
 

【文科省の説明】
 続きまして44ページ、これは山本委員(株式会社日本病院共済会代表取締役社長)、矢崎委員(独立行政法人国立病院機構理事長) からご要望のあった教員数の推移がわかるものということでご用意させていただきました。

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 例えば平成21年の計のところ、2万9,684人と出ております。その10年前、平成11年でございますが、2万9,217人、やや横ばいでございます。さらに10年前の平成元年、2万6,535人と近年は増加傾向が見られるのではないかというデータでございます。

 次の45ページには学生1人当たりの教員数ということで、ご用意させていただきました。

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 ▼ 前回会合で、矢崎委員はこう述べた。
 「医師数とともに、最初に副大臣がおっしゃられたように、やはり幅広い分野で活動する医師の育成も、今日、大きな課題ではないかということです。専門領域において活躍されることも欠かせませんけれども、地域医療の立て直しや医学研究への貢献、あるいは製薬などの医療産業や、先ほどお話があった、我が国にとどまらずに国際的にも活躍する医師の育成が求められていると思います。
 現在、文科省の医学教育のコア・カリキュラムも基本理念として3つの点が挙げられて、総合的診療能力の習得、地域医療への意欲・使命感の向上、そして、基礎と臨床の有機的連携による研究マインドの養成というふうになっています。しかし、今、アウトカムベースでの評価になりますと、必ずしもそれが実感されていないということが指摘されています。それはやはり、スタッフのサポートが乏しいということが大きな起因ではないかと思いますけれども、私としてはこのような視点からひとつ提案したいと思いますのは、モデル事業として、新しい構想の医学部創設もその対策の1つになるのではないかということです。その内容につきましては、私なりの考えもありますけれども、慎重に検討すべきではないかと思います。
 そして、人材育成のアウトカムを比較しますと、おのずから医学教育の抜本的な改革への大きな推進力になるのではないかと期待されていますので、その方面からの検討もぜひお願いしたいと思います」
 この発言に続いて、山本委員がこう述べた。
 「皆さんのご意見と当然重なることになると思いますが、私の立場を申し上げますと、この3月まで日本病院会という病院団体の長をしておりました。ですから、医師不足の問題はメインのテーマとして何年にもわたって議論をし、提言をしてまいりました。この4月でその長を去りましたので、比較的、個人で自由な立場で発言させていただけると思っております。
 まず、医師が足りない、定員を増やしたらどうだという話でございますが、もう少し具体的にいうと、医師が足りないというのは、病院で働く医師が足りないということであり、さらに言うならば、急性期の病院で働く医師が足りない、これが実態だと思います。例えば、救急医療など交代制を要する診療科でも2交代制すらできない。すなわち、労働基準法が守れないといったような環境の中で医師が働いてきました。こういう問題をどう解決していくのかということが前提にあるわけです。その中ですでに話にでました地域偏在とか科の偏在といった問題は大きな問題でございますが、これをマクロの数の理論だけで解決することはできないだろうと思います。
 臨床をやる医師は何のためにいるのかといえば、患者さんのためにいるわけですから、例えば、それぞれの地域の医療ニーズの実態が把握できているのかという問題があります。こういう病気がこれだけあって、この地域ではこのような治療や手術を行う環境が求められているとすれば、それを踏まえて医療資源の適正配置という仕組みの構築も一緒に考えていかないと、この問題は解決できないと考えています。
 それからもう1つ大事なことは、研究者、特に研究者の途を志望する若手の医師が非常に少なくなったという問題です。この問題は非常に重要で、未来を考えたときに、研究が進まなければ日本の医療の未来は暗くなるわけですから、若手の研究を推進する体制の構築こそが大学の一番大きな問題だろうと思っています。そういう意味では、こういう場で大学病院の医学教育、研究、診療の在り方の見直しも含めて議論したほうがいいと考えています。そうしたことも視野に入れて、幅の広い議論の中で、最終的には定員の数に還元されるような形での議論をしていただきたいと、思っております」

 

【目次】
 P2 → 現員医師数に対する必要医師数
 P3 → 100平方キロメートルあたりの医師数の分布
 P4 → 診療科別医師数の推移
 P5 → 看護職員就業者数の推移
 P6 → 医師不足の推計に関する主な論文①
 P7 → 医師不足の推計に関する主な論文②
 P8 → 医師不足の推計に関する主な論文③
 P9 → 国公私立大学病院の概況
 P10 → 臨床医学研究の論文数
 P11 → 医学部の教員数(常勤)の推移
 P12 → 歯学部の現状
 P13 → 地域の医療ニーズ

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