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ニュース〜医療の今がわかる

行政監視委員会

鈴木寛・現場からの医療改革推進協議会事務総長が参議院行政監視委員会で医療をメインに質問するというので傍聴してきた。

 実際の質疑の模様はこちらをご覧いただきたい。


 ちょうど国民投票法案が可決成立した日であったため、国会周辺は非常に騒然としていた。が、一歩院内に入れば、やはり静かなものである。同時刻に決算委員会も開催されていたので、大臣が出て来ない可能性もあったと思うのだが鈴木議員と対峙する政府委員席の中央には、右に柳沢伯夫厚生労働大臣、左に伊吹文明文部科学大臣と、共に大蔵省出身の「政策通」が並んだ。改めて2人並んだ後姿を眺めると、大蔵出身者が医療と教育を仕切っているわけだから、そりゃ渋チンにもなるわなという感慨を抱く。

 さて医療をメインに質問するとあっては見逃せないと思う反面、行政監視と医療とそれほど関係あるかな、と疑問に思っていた。が、蓋を開けてみれば、なるほど見事に土俵へと引きずり込んでいく。

 ・行革推進法によって、国立病院には5年間で5%の定員削減義務が課せられ、公立病院にも4.6%の削減要請がなされた。→それでなくても過酷な医師や看護師の勤務がよりひどくなり、訴訟リスク、刑事訴追リスクの上昇と相まって、従事者の立ち去りを加速する悪循環が止まらなくなっている。→行革以上に重要な「命」への配慮が足りなかったのでないか。医療崩壊を加速させていないか。

 こんな論法である。よく考えてみれば、特に地方公立病院では医師や看護師の定員を満たすことができず大騒ぎしているのだから、この問題提起は実態とちょっと違うと思う。鈴木議員もそんなことは百も承知だろう。ともかく、これで行政監視と医療とが結びついた。

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