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ニュース〜医療の今がわかる

臨床研修検討会6その2


齋藤
「制度見直しに当たっての考え方の医師の地域偏在への対応だが、これは後期研修まで視野に入れないと直らない。現在の専門医研修・後期研修を受ける病院は大都市に集中している。幸いここには全国医学部長病院長会議の重要メンバーがそろっている。研修医の2年間を地域に張り付けても、その後で東京とか大阪とかへ行ってしまったら具合がよくない。大学間で調整して1つの大学が後期研修医を取り過ぎないようにしてもらいたい」

武藤
「細かい話だが、必修の内科と救急だけだと1年目が3カ月余る。随分とフリーな感じがする。ここら辺きちんとした方がよいのでないか。それから以前に小さな病院を外すべきかどうかという議論が行われたことがあるが、たしかに全体をやるのは無理があるが、ある分野に突出した小さな病院というのはある。規模ではなくクオリティを考慮するということもきちんと書いておいていただきたい」

高久
「2年目にやってもいいけど原則として1年目ということ」

小川(岩手)
「プログラムの弾力化という目玉があるのだから、あまり細かい所を決めると、また、元と同じことになってしまう。今回は大変難しいところをうまくまとめてくださったと思う。また学部長病院長会議は頑張れと心強いご指摘をいただいた。申し上げたいのは、何か医師の研修に対して幻想を持っている方がいるのでないかということだ。2年間研修すれば一生使える医師に育つ、それを担保できる制度にしようと思っている方がいる。そんなことは絶対になくて生涯学習しかない。卒前、卒後、そのまた後と全体を根本的に入れて行かないと所詮は片手間の話になる。医師の生涯教育の一部という視点が絶対に必要だ」

能勢
「この問題は医学教育から始まっているのに、卒後の1年2年だけ抽出されると全体の流れの中で落ち着かない。医学教育のコアカリキュラムも大議論があったし、臨床実習に各診療科を回るようなことをどこの大学でもやっている。何科が大切とか言っても仕方ない。ただコアカリキュラムというものを作って、これだけは医学教育の中で身につけようということで、ベースになる知識をある程度全国的に定めて、それをCBTなりOSCEで確認するということ。OSCEなんかは昔の面接とは雲泥の差の内容のものになっている。大学の中でもそれ位のレベルのことをやっているのだから、それを踏まえて医師免許を取った後にやる臨床研修というものは、臨床実習との兼ね合いを考えながらやっていくことで、一番よい医師を養成することになるだろう。
それから医師の養成と適正配置に関連して、先ほど基礎研究者がいなくなったという発表があったけれど、それは臨床研修が始まる前からの根本的な問題。医学部の大学院が軒並み定員割れしている。いずれにしても適正配置は、医局制度がダメだということになれば今のような形でオープンにして地域の方々にも参加していただいて、最後は個人の意思を無視してでも命令で配置するのというのが何となく今の流れのようだが、今の制度の中ではそれは無理だ。
医師だけが田舎に行かなければならないという雰囲気が出てくるのだけれど、我々のように地方大学にいると、町全体が過疎なんで、過疎対策はいろいろあるけれど、ある意味人がいなくなればいい。そうしたら医師も要らない。そういう議論なのか、それとも今の日本の町を維持するのかはある。その中に、医療という限られた領域も含まれる。だから、この厚労省と文科省のフレームワーク、一貫して行政を考えるというのは大変うれしいことで、今まではどうしても途中で話が途切れる。だからこの機会に、ここに出てきている1つ1つについて具体的に何らかの審議会なり検討会をもって議論されることを期待する。今後はこれをどうやって充実化するのかという議論が別のところでされることを期待している。
それから大学に対する研修医の手当を是非上げていただきたい。そこが最大のネックだ」

高久
「研修医もそうだが、指導医への手当もだ」

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