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ニュース〜医療の今がわかる

08年度診療報酬改定の結果の検証―5月20日の中医協総会

3.後発医薬品の使用状況調査

 ○ 検証部会としての評価

 「後発医薬品への変更不可」欄に処方医の署名等がない処方せんのうち、1品目でも先発医薬品を後発医薬品へ変更して調剤した処方せんの割合は6.1%であるなど、後発医薬品の使用の広がりがあまり感じられない。33.5%の薬局が後発医薬品調剤について「あまり積極的は取り組んでいない」と回答し、その理由として「品質に疑問があるため」、「安定供給体制が不備であるため」、「近隣医療機関が使用に消極的なため」という回答が多く、また「後発医薬品への変更不可」欄に署名した理由として、約5割の医師が「品質が不安だから」と回答するなど、薬局も医療機関・医師もまだ後発医薬品に関する理解不足や不信があり、それを解消させる必要があると考えられる。
 医療機関・医師についてみれば、医師の処方行動について見ると、必ずしも後発医薬品の使用に消極的であるとの印象は受けないが、一部の医療機関や医師において、後発医薬品を使用しないとの強い意思表示をしていることが見受けられる。保険医療機関及び保険医療養担当規則等において、投薬等を行うに当たって後発医薬品の使用を考慮する努力義務を規定していることを踏まえると、当該規定の周知や必要な指導などの対応が必要である。一方で、「後発医薬品への変更不可」欄に署名した理由として、品質への不安や効果や副作用の違いを経験したとする医師が多いことは重視すべきである。
 他方薬局についていえば、「医師が後発医薬品への変更を認め、かつ、薬局で1品目でも先発医薬品を後発医薬品に変更した処方せん」の割合はまだ高くないものの、以前よりは高まっている。
 しかしながら、処方せんの「後発医薬品への変更不可」欄に処方医の署名等がなく、かつ患者が希望しない等の理由がないにも関わらず、薬局において後発医薬品に変更していない割合が、74.8%とかなり高い。この数字には、薬局が一度先発医薬品を後発医薬品に変更し、これを受けて処方医が当該後発医薬品に切り替えて処方している場合も含まれるが、このことを考慮しても、薬局における変更割合は未だ低いものと考えられる。その理由については在庫がなかった、あるいは患者に説明しなかった等が推測されるが、明確ではなく、後発品の使用に関するボトルネックが薬局にあるものと推測される。薬局側が後発医薬品の説明・調剤にあまり積極的に取り組まない理由として、「品質に疑問」「安定供給体制が不備」「近隣医療機関が使用に消極的」「効果に疑問」等を挙げているが、そうした説明が納得のいくものであるかどうかも含め、更に踏み込んで後発医薬品に変更していない原因を究明する必要がある。
 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則において、後発医薬品への変更可能な処方せんを持参した患者に対する後発医薬品に関する説明義務及び調剤の努力義務を規定していることを踏まえると、調査結果からは、薬局における後発医薬品についての説明及び調剤が十分でないと考えられ、当該規定の周知や必要な指導などの対応が必要である。

 ○ 発言内容の要旨は以下の通り。

[小林 剛委員(全国健康保険協会理事長) ]
 調査の結果を見て、1点申し上げたい。後発医薬品の使用状況に関して、国を挙げて使用促進に取り組んでいる中、調査の結果は残念な結果。個別の話になるが、保険者として、ジェネリックの推進のために広報や希望カードの配布、ジェネリックに切り替えた場合の自己負担軽減額の通知の3本柱で取り組んでいくことにしている。関係団体にも理解してもらっている。

 今回の調査の結果を見ると、薬局における説明が不十分だという感が否めない。現場で、(使用促進の)取り組みにつながるよう、さらにお願いしたい。調査の結果において、「安定供給体制が不備」だという声もあることから、流通体制も含めた環境整備もよろしくお願いしたい。

 (藤原委員が挙手)

[遠藤会長]
 手短にお願いしたい。

[藤原委員]
 後発医薬品の件、私どもも協力することはやぶさかではない。処方せん全体のj中で、医師が「後発医薬品に変えていい」としたのは処方せんの66%という実態があった。
 しかし、使用が進んでいないのは、医師側だけではなく、薬局も国民も、品質等に不安を感じている証左にほかならない。このことについて、よく、「政府の方から」ということもあるが、そうではなくて、国公立病院とか、官僚、政府の方々がちゃんと(後発品を)使っていただければ、こういった流れは自然にできるものだと認識している。ぜひ国を挙げた体制を築いていただきたい。 

[北村光一委員(日本経団連社会保障委員会医療改革部会部会長代理) ]
 関連して。ご存知のように、経済状況がここ1~2年、ますます厳しくなると思うので、企業だけではなく、国民全員の生活が厳しくなると思う。そうすると、医療費を払うことも大変難しくなる。ジェネリックの費用は大変重要なので、ぜひ、ここにいる皆さん、力を合わせて改善に取り組んでいただきたい。

[山本信夫委員(日本薬剤師会副会長)] 
 ここのところずっと、「薬局が悪い」という批判を受けている。(会場、笑い)
一言、申し開きというか言い訳をしておかないと、後で大変なことになる。必ずしも薬局だけの責任ではないと、皆さん、ご理解いただいている。たまたま、数字が「説明していないではないか」ということだが、十分に説明するような指導はしているし、小林委員が言うようなことは私どももやっている。ただ、実態として、国民の中で行き渡っていないということもある。ぜひ、全体として進めるような方向を推していただきたい。

[遠藤会長]
 まさに、次の議題が後発医薬品の使用促進の話になるのだが。

 (勝村委員が挙手)

[遠藤会長]
 じゃ、どうぞ。手短にお願いしたい。

[勝村久司委員(日本労働組合総連合会「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)]
 今の話についても言いたいが時間がないので、それは置いておいて。先程の話、検証部会の結果が出たという機会なので、ちょっと発言させていただきたい。
 私が中医協の委員になったのは、「中医協改革」と呼ばれた時だった。次の改定で3回目になる。委員になって最初の改定の時から、「病院の勤務医が大変なんだ」と言われていた。当時のいろいろな発言を覚えているが、勤務医がしんどいから辞めて開業医になっていく、そういう流れでますます悪循環になった。

 都会などでは、開業医を辞めて勤務医になるような流れができるような診療報酬改定をしていくかない。救急医療はローテーションが必要だし、ハイリスクはチーム医療が必要なので、「ダイナミックな改定をしてほしい」とずっと言い続けてきて、改定を2回終えた。しかし、やはりこんな結果で非常に歯がゆい思いがする。だから、「自分たちには責任がない」という感じではなく、中医協としてもっとダイナミックに、いろいろ総体的にできる中身で。

 例えば外来管理加算ならば、初・再診料の診療所と病院との間はどうなのかということ(点数格差)なども含め、総体的にどうなのかというところで、何に価値を置くべきなのか。単価の議論をしているのだから、もっと厳密にやっていきたい。ぼくとしては、「また次回もあまり変わりませんでしたね」ということにならないように。自分たちの試算が甘い訳だから、きちんと、「今度こそダイナミックにしたいな」というのが感想。

[遠藤会長] 
 ただ今の勝村委員の発言にもいろいろとご意見があると思うが、時間がない。ちょうど、後発医薬品の使用促進の話が出たので、検証部会の結果については、来年度の改定に向けて十分活用したいと思う。
 続いて、後発医薬品の使用促進について議題にしたい。
 (以下略。後発医薬品の使用を促進するための「指導」については、別の記事で配信予定)

 ※ 「後期高齢者にふさわしい医療の実施状況調査」1と2については、調査結果と検証部会の評価は報告されたが、委員の発言はなかった。
 1の調査は、「後期高齢者診療料」、2は「後期高齢者終末期相談支援料」。「終末期」のケアをめぐる問題は現在、厚生労働省の「終末期医療のあり方に関する懇談会」(座長=町野朔・上智大大学院法学研究科教授)で、「リビング・ウィル」の法制化などを議論している。

 昨年7月から凍結されている「後期高齢者終末期相談支援料」について、検証部会としての評価は、「公的医療保険から医療機関に対して相談料が支払われることについて好ましいと答えた者は34.1%、好ましくない27.5%、どちらともいえない36.2%、と意見が分かれた。好ましいと答えた者の69.2%が、『年齢区分は必要ない』と答えていたことは注目に値する」としている。
 また、「一般国民に対する意識調査で文書の提供を『希望する』割合が72.3%と高い一方で、施設調査では、『文書は提供していない』割合が高く、医療機関側と一般国民の意識とのずれも明らかになった」と分析している。

 庄司部会長は、5月20日の中医協総会で次のように述べている。
 「調査自体の意義は、この制度が現在凍結されているかどうかということとは別に、大変、大きな意義があったと思っている。このデータを貴重なものとして、今後に生かしていきたいと思う」

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