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ニュース〜医療の今がわかる

「緩和ケア必要な子ども、6割はがん以外」-日本小児医療政策研究会


■小児緩和ケアは子どもの権利である(ICPCN CHARTER, 2008)
先ほど定義の中でQOL向上という言葉を言ったが、QOLは定量化、標準化するのが難しい、個別の価値観に基づくものなので踏み込むのは控えたいが、少なくとも病気の子どもたちにおいても守らなければいけないのは子どもの権利。病気でなければ、あまり子どもの権利という言葉を意識することは日常ないけれども、特に大きな病気の子どもたちには顕在化されやすいという風に考えている。
 
例えば、家族と共に暮らしている権利が子どもにある。一方でそういう立場からすると社会の側の観点からすると子どもたちが自宅療養することを優先させなければいけない義務、ということが子どもの権利から考えられる。同じように例えば普通に暮らす権利。たとえば学びとかの保障。入院中の子どもの遊びや自宅療養中の子どもの学びをどうするかというのが問題になる。質の高いケアを受けられる権利、それは小児の専門性。「子どもは小さい大人ではない」と昔から言われるが、きちんと小児の専門性、専門家へのアクセスを保障していく義務があるとと我々は考える。
  
「知る」権利も子どもの権利条約で保障された権利。発達段階で希望に応じた情報を私たちは提供する義務がある。そのためにはしかるべきコミュニケーション技術が必要というのが緩和ケアの立場。さらに「知る」権利とともに、子どもたちは意思を表明する権利があると言われている。治療方法を含めたさまざまな自分自身の将来に対する意思決定に参加することを我々は促していかなければいけない義務がある。こういうことを含め、コミュニケーションの技術を含めて、医師にとって薬を投与する技術が重要なのと同じように重要と考えられている。家族の負担を軽減するということ、社会の側からするとレスパイトケアを含めた、家族に対する休息を与えることが家族に対する義務と考えられている。病気の子どもは家族だけでなく社会全体で支えるというのがその精神になっている。
  
苦痛からの解放というのは子どもを痛みの中に放置しておくことは子どもへの虐待という考え方。近年は子どもの疼痛緩和の技術も急速に進歩していて、さまざまな方法がある中でそういったものをきちんと用いずに子どもを痛みの中に放置しておくことは虐待であるという考え方になっている。小児緩和ケアは子どもの権利ということが、近年国際的にスローガンとして言われ始めている。子どもの国際緩和ケアネットワークのチャーターの中でも提唱されている考え方。
 
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