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ニュース〜医療の今がわかる

"10mlバイアルなら国産3000万人分" 9日のワクチン意見交換会


 森兼啓太・東北大学大学院講師
「ワクチンに関して分からないことは多いが、分かっていることも多い。それを国民に分かるような形で示すことをやらなければならない。黒川先生も言われたように、インターネットを使えば、紙を使わなくても簡単に伝わる。その意味では、この素案について報道各社には4日に説明がされたのに厚生労働省のサイトにアップされたのは7日。もっと迅速にアップしてもらいたい。

接種の優先順位は落ち着くべきところに落ち着いたと思う。次はロジ。これに関して、今回は資料があまり示されていないが、報道やいろいろな情報を聞くに、どうも医療機関で接種するという話になっているようだ。流行の動向は予測がつかないけれど、ちょうど流行の時期とワクチン接種の時期が重なってしまう可能性もある。患者さんと予防したいという人を一緒にするのか。分けたらよいという意見もあるが、それはこれまでも何度も検討されてきたけれど、そんなに簡単に分けられるものではない。なぜ保健センターや体育館を使わないのか。こんなことを心配するのは私だけかと思ったけれど、周りの人に聴いても皆が心配している。医療機関外で接種を行わないのに合理的な理由があるなら説明してほしい。もし理由がないなら再検討してほしい。

海外ワクチンについては危険とも何とも言えない。しかし、それを打って何か起きた時に誰が悪いと言っても始まらない。そんなことを言ったらメーカーは作らない、医師は打たない、国は取り組まないということになってしまう。それが先ほど話の出た50年前と変わらない原因だ。実効性のあるワクチン行政を行うには、無過失補償と免責を立法化するしかない。これなくして新型インフルエンザワクチン接種の遂行は難しいし、避けて通ればまたややこしいことになって将来に禍根を残すことになりかねない。

7月30日の会合では、ワクチン輸入をするかどうか契約のギリギリという説明を上田局長から受けた。それからもう5週間経っているが交渉はどうなっているか。非公開だと言いつつも、相手の会社がどこなのかは既に公開されているに等しいのだから、言える範囲で教えてほしい。それと本当に輸入は間に合うのか。仮契約が切れているという噂すら耳にしている。もう少し契約状況を詳しく教えてほしい」

正林
「ここからはお互いに質問したいことなどあれば」

稲末
「つけたし。国産の新型ワクチンの接種開始は10月末ということになっているが、何とか1週間でも2週間でも繰り上げてスタートできないか。それから高齢者に対する季節性の接種は定着してきているが、それを受けに来た高齢者たちに、あなた方には新しいのは打てないのだとカドが立たないように説明する方法を見つけておく必要がある。後でちゃんと打ってあげるよと言えるようにしてほしい」

 岩田
「我々は陳情団ではないのだから、我々の意見に対して、厚生労働省はどう考えるのかということ、素案の考え方はこうだという見解をうかがいたい」

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